デジタル配信と言えば、無料のサービスが特徴の「Spotify」があります。
もちろん有料サービスもありますが、誰もが有料を選ぶほどでもないと思います。
Spotifyについては、今までほとんどよくわかっていなかったのですが、この辺りは、皆さんのほうがよくご存じかもしれません。
Spotifyでは村田作品も結構配信されています。
東芝EMI/EASTWORLDの3枚
Victor/ROUXの3枚
Universalは、『ずーーっと夏。』『ずーーっとずっと、夏。』『Treasures in the BOX』『De P-CAN』の4枚
それに、荻野目洋子とのデュエットシングル
そして「21」のアルバム2枚、シングル1枚
やはり、アルファ・ムーン時代の初期5枚は配信されないようですね。
ユニバーサルの配信の範囲が中途半端なのも気になります。
また、配信されているアルバムでもボーナストラックはやはり無理なようです。
レコード会社によって、積極的に配信しているかどうかに差が出てくる(それぞれ方針がある)ということなのでしょうか?
CDではなかなか入手が困難なユニット関係の作品をもっと配信していただければと思うのですが、無理でしょうかね?
このような無料配信がそもそもビジネスとしてよく続けられると思いますが、これがこれだけ普及すると、さすがに誰もCDは買わなくなってしまうんじゃないかと思います。それでも、音楽ビジネスは成り立つんだろうか、と心配です。
なお、配信されている範囲が中途半端なのは、村田さんだけではなく、他のアーティストでも同じようです。これが最大の欠点でしょうか? こういう広く普及した配信から脱落してしまった作品は、半永久的に聴くことができなくなるのではないでしょうか。例えば、収益的に成り立たなくなってCDも品切れになってしまい、結局、極端に高価な中古市場かYouTubeに頼るしかないというひどい状態に追い込まれるのではないかと。CDではなく情報についてですが、グーグルで検索しても見つからない情報はあたかも世の中に存在しないかのようになる(そんなことは決してありません、とはいえそういう情報を手にすることはかなり難しくなりますが)、という恐ろしい事態と同様な気がします。ぜひとも網羅的に配信していただきたい、それはSpotify側の問題というよりは、著作権などの権利者、すなわちレコード会社やアーティストの所属プロダクションの問題だと思います。
ふと発見しましたが、村田さんと須藤薫さんのデュエット曲「レイニー・デイ・ハロー」(1982年の3枚目『Amazing Toys』のボーナストラック)がデジタル配信されていました。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00FS7YVVO/
14曲目です。
RAINY DAY HELLO (Live Version/Duet with 村田和人) 5:02
このようなボーナストラックもデジタル配信されることがあるのですから、村田さんのボーナストラックについてもぜひ網羅的にデジタル配信をお願いしたいところです。
なお、この作品「レイニー・デイ・ハロー」を以前にご紹介しましたのは、次の投稿です。
「Mc's Roadで逢いましょう」と「レイニー・デイ・ハロー」(1133)
No.895(【須藤薫さんとのデュエット】2017年3月5日)とNo.896(【続・須藤薫さんとのデュエット】2017年3月12日)
No.1145でロジャー・ニコルスの名前が出ましたが、その関係で、村田さんの話題からずれますが、申し訳ありません。
竹内まりやの4枚目のアルバム『Miss M』(1980年)のA面は、「L.A. Side」として、デイヴィッド・フォスター(David Foster)とジェイ・グレイドン(Jay Graydon)を中心にアメリカで制作されましたが、その中に1曲ロジャー・ニコルスの作品があります。A面最後の曲「Heart to Heart」です。英語詞かと思いきや、竹内まりやご本人の作詞です。
当方は以前からなんでこんな曲が収録されているのだろうと不思議に思っていて、てっきり、本人が好きな曲(例えば、カーペンターズの曲)を、ご本人が日本語詞をつけてカバーしたのだろうと思いこんでいました。しかし、調べてみると、そうではなく、次のような不可思議な経緯があったようです・
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=655156&id=54763870
まず、プロデューサー(このアルバムのプロデュサーは宮田茂樹と村上優のお二人ですが、おそらく宮田さんのほうでしょう)が、レコーディング中のロス・アンジェルスで、「つて」をたどってロジャー・ニコルスと会って作品提供を依頼したところ、TV用の書きかけの曲があり、宮田さんがその場で少しアイデアを出して完成させたということです。なんか嘘のような不思議な話です。
ちなみに、この曲は、のち、カーペンターズが「NOW」というタイトルで歌ってレコーディングされ、カレン・カーペンターの最後の曲になったそうです。
YouTubeでも聴くことでき、(ほぼ)同じメロディーであることが確認できます。ご関心のあるかたは、お試しください。
先日、「21」その他ユニットのデジタル配信(1142)というのをご紹介しましたが、「21」には2枚のアルバムに加えて、「オン・ザ・ユニヴァーシティ・ストリート/I LOVE TOKYO」という8cmCDシングルがあります(1992年3月4日(VIDL89)。2枚のアルバムより後に発表された。21のシングルはこれだけ?)。なんとこのシングルがAmazonデジタルで配信されていました。驚きです。8cmCDシングルですので、もう決して入手できない、聴くことはできないと思っていたのですが、あっさり聴くことができました。
「オン・ザ・ユニヴァーシティ・ストリート(On the University Street)」は、竹内まりやのカバー、「I LOVE TOKYO」は、つのだ☆ひろのカバー(英語詞)、です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08K2PLKB7/
発売元のビクターで配信を始めたことがスタートということなのかもしれません。
https://www.jvcmusic.co.jp/-/Discographylist/A000959.html
なお、オリジナルの作詞・作曲・編曲は以下のとおり。
・オン・ザ・ユニヴァーシティ・ストリート:作詞:竹内まりや、作曲:竹内まりや、編曲:細井豊BAND、ボーカル&ホーン・アレンジ:杉真理)
(1979年の2ndアルバム『ユニヴァーシティ・ストリート』の1曲目)
・I LOVE TOKYO:作詞:Ross Macaulay、作曲:つのだ☆ひろ、編曲:Jap's Gap's
(「つのだ☆ひろ・JAP'S GAP'S」名義の1980年のシングルです。ただし、ソロ名義の1982年のアルバム『バラード / Ballad』に収録されているのは、ほとんどアカペラで、この編曲は、本人クレジットかもしれません)
「21」によるカバーは、2曲とも斎藤誠の編曲だそうです。
https://blog.goo.ne.jp/nakamuranaika/e/adcc2c5eee4f04ef7f3e2853daa59b2a
なお、「21」の2枚のアルバム、1枚のシングルとも、ビクターからのものですが、1990年の『Blue Coast Inn』(VICL-31)がinvitationレーベルなのに対して、1991年の『Greeting』(VICL-233)と1992年のシングル「オン・ザ・ユニヴァーシティ・ストリート」はRouxに変わっています。村田さんの8枚目のアルバム『空を泳ぐ日』(1990年)は「東芝EMI/EAST WORLD」で、次の9枚目のアルバム『Hellow Again』(1993年)は、「Victor/Roux」なので、この狭間ということで、『Blue Coast Inn』を制作した時点で、移籍という話も動き始めていたのかもしれません。
デジタル配信は、基本は半永久的に残っているのだと思いますが、いつなんどき配信が中止されるかもしれませんので、ご関心のあるかたは、早めに購入・ダウンロードなさることをお勧めします(2曲で300円)。
これに関連して、2点
デジタルで配信しさえすれば、こんなに簡単に聴くことができるのだから、もっとどんどん配信を進めていただきたいものです。村田さんの作品もそうですが、それ以外も。最近の作品だけではなく、昔の作品もどんどんと。
今回は、実はたまたま見つけることができました。Amazonのデジタル配信では、ミュージシャン「21」で検索するとなぜかエラーが起きます。あえて「オン・ザ・ユニヴァーシティ・ストリート」で検索しないと発見できないのです。先に、21のアルバム2枚を発見したときには、あるはずはないと思い込んでいて、「オン・ザ・ユニヴァーシティ・ストリート」というタイトルでは検索していませんでした。
この関連で、Aamzonなどで、リコメンド機能(おすすめ)というものが表示されることがあります。これが役に立っていない(AIの性能がよくない)、という現状があります。今まで役に立つと感じたことが正直ほとんどないと言っていいでしょう。今回のケースでも、配信ではない通常のミュージックのほうで「オン・ザ・ユニヴァーシティ・ストリート」についてはAmazonの検索を何度もしていましたので、その際に「(8cmCDシングルは(中古で)見つからないけれども)デジタルで配信しているよ」と教えてくれればいいのにと思います。また、『Blue Coast Inn』と『Greeting』をデジタル配信で検索したときにも、このシングルについてもリコメンドさえあれば、その時点で発見できたのにと思います。Amazonなどは、この機能の不十分さを認識しているのでしょうか? このリコメンド機能の徹底的な充実を希望いたします。しかし、質よりも量で勝負という発想で動いている可能性は高いので、質のアップはそもそも期待できないのかもしれません。
村田さんの師匠すじの山下達郎さんがファンでもあるバート・バカラック。
その流れが、そののちの、いわゆる「渋谷系」の源流でもあると言われることもあります。
では、村田さんには、その影響は見られるでしょうか?
今まであまり結びつけることはありませんでした。ただちに、影響を受けた作品は思いつきませんが、そういった視点で、今後村田作品を聴いてみようとも思います。
このようなことをふと思いついたのは、山下さんからではなく、以前も何回かご紹介したことのある川村康一さん、この人の「ふたりのSnow Land」という作品を聴いて(YouTubeで聴くことができます)、バカラックを感じたことがきっかけでした。なお、編曲は、岩﨑元是さんのお兄さんの岩﨑文紀さんです。
それにしても、山下さんは、ビーチボーイズ、ドゥーワップからバカラックまで、幅広いですね。バカラックと言えば、その流れは、ロジャー・ニコルス(Roger Nichols)につながりますが、山下さんはニコルスのファンでもあるんですかね。
なお、バート・バカラック(Burt Bacharach)は、ハル・デヴィッド(Hal David)とのソングライティング・チームで有名ですが、ロジャー・ニコルス(Roger Nichols)は、ポール・ウィリアムズ(Paul Williams)とのソングライティング・チームで有名です。こういう作詞家との深い結びつきのあるソングライティングのチーム、面白いところで似ているものです。