村田作品でラテン系の作品はあるでしょうか?
必ずしもすべての作品をチェックしたわけではないのですが、あまりないような気がします。
ただ、1枚目のアルバム5曲目の「MARLAS」(作詞:安藤芳彦/作曲:村田和人/編曲:鈴木茂)という曲は、ラテン系といえるでしょう。山下達郎の編曲かと思っていたら、鈴木茂でした。いい曲ですね。
なお、「ラテン系」という呼び方の対象はやや複雑で、日本のポピュラー作品で考えると、そもそも曲そのものが「ラテン」と呼べるような場合も多くありますが、そうではなく、曲自体はラテン系とまで言えないまでも、ラテンっぽい編曲をすれば、結果として「ラテン系」と呼べるようになる作品もあります。
例えば、荒井由実の作品の例ですが、「晩夏」という曲があります(1976年の『14番目の月』の最後の曲として収録)。このオリジナル曲は、全然ラテン系ではないのですが、平原綾香がカバーしていて、そちらの作品も原曲と同様に、編曲は松任谷正隆なのですが、平原作品のほうではラテン風な編曲をしています。
2曲ともSpotifyで聴くことができますので、ご関心のあるかたは比較していただきたいと思います。
では、例えば、村田さんの代表曲である「一本の音楽」について考えてみるとどうでしょうか? ご存じの方はお分かりのとおり、この曲は、まったくと言っていいほどラテン風ではないと思います。しかし、これをラテン風にアレンジすることは可能ではないかと思います。曲のスピードを落として、ラテンのリズムを入れ込む。演奏で使う楽器は、ギターとパーカッションだけというシンプルなものにする。でも、ピアノを入れてもいいかもしれません。
例えば、『ずーーっとずっと,ずっと夏。』の12曲目に収録されている「12 一本の音楽(2012 Version)」はヒントになると思います。
そう考えてみると、実は、たいていの作品は、「ラテン風にアレンジ(編曲)する」ということが可能なのかもしれません。
もしかすると、もう、そういうアプリがあるかもしれません。