新しいレコードやCDが出されると(または出される予定があると)、インタビュー記事というものが雑誌に掲載されたりします。インタビューほどではなくても、ニューアルバムの紹介記事や、もっと短いものでは、アルバムレビューのようなものが掲載されたりします。
以前、『Now Recording』が出された当時(2008年)か、次のアルバム『ずーーっと夏。』のとき(2009年)だと思いますので、かなり昔ですが、『Now Recording』のアルバムを出すことを村田さんご本人はもともとそれほど乗り気ではなくて、でも、一旦出して見たら、予想外に好評で、結果として『Now Recording+』をメジャーから出すことになった、そのことでファンからの期待も実感できたので、その後、またアルバムを制作していこうという気持ちになった、というようなことをどこかで読んだ記憶があります。
今となっては、どこで読んだのかよくわからず、もしかすると、当方の記憶間違いで、こんなことはなかったのかもしれません。しかし、そのような記事があったのかどうかを発見する方法もありません。もしかすると、インターネット上にあるのかもしれませんが、そうであっても、現行の「検索」システムの能力がかなり悪いので、見つけることは不可能でしょう。
このことの結論として申し上げたいのは、そういった個々の記事が、思った以上に重要であるということです。にもかかわらず、容易には発見することができないという状況になっているということです。
そして、これを解決するには、あらかじめそれらを集めておくしかありません。結局、いつものところに戻ってくるのですが、そういった記事もふくめた内容の、網羅的な「村田本」を夢見ております。
おなじみ、ペットサウンズ・レコードの村田和人通販ページを見てみますと、
http://www.petsounds.co.jp/ordermurata.html
「店頭品切中」がかなり増えてきています。いや、むしろ、店頭品切中ほうが多いくらいです。
例えば、初期の5枚などは、2006年盤も2012年盤も配信で聴くことができるわけですから、CDなど必要ないという考え方もあるでしょう。特に、先に配信を聴いたかたなどは、あとからわざわざCDを買うなんて、とお思いになる場合も多いのではないでしょうか? CDなどなくても、すでに聴くことができる。
しかし、配信は、永遠に継続されるのでしょうか? 個人的には、そこが心配です。会社が倒産する、そこまで行かなくても、配信サービスを中止する、そこまで行かなくても、村田作品が配信の対象外となる(その理由は直ちには想像できませんが)。あらかじめダウンロードしておけば、配信サービスが消滅しても大丈夫なのか、そこもよくわかりません。
いずれにしても、CDがなくなった(生産が終了した)あとに、配信までなくなると、もう聴くことが(少なくともしばらく、または、当分の間)できなくなってしまう可能性があります。
そういった事態を避けるためには、必要最低限のCDは入手しておいた方が安全だと思います。
このようなCDと配信の「バランス」のようなもの、引き続き検討してみたいと思います。
「シティ・ポップに愛をこめて 名曲・名盤ルーツ探訪の旅」について、前回ご紹介しましたが、たかだか20曲ですので、取り上げられている村田さんの作品だけ、曲名と参照されている外国曲(2曲の場合もあります)を以下列挙します。
1. 終わらない夏→Say You'll Be Mine/Christopher Cross
2. 一本の音楽→Ventura Highway/America、Love Takes Time/Orleans
3. Catching The Sun→Waking And Dreaming/Orleans
4. Summer Dream→The Theme From "A Summer Place"/Percy Faith And His Orchestra、End Of A Song/Orleans
5. 台風ドライブ→Let Be There Music/Orleans
6. Tralvelin' Band→Caught Up In You/38 Special、Hold On Loosely/38 Special
7. 幻影(イリュージョン)→Long Ago And Far Away/James Taylor
8. あの波をつかまえて→Travelin' Blues/Loggins & Messina
9. SEXY PACIFIC→Sherry/The 4 Seasons
10. 25時のアベニュー~LOVE YOU FOR THE NIGHT~→One Of These Nights/Eagles
11. JUST A LITTLE LOVE→Don't Talk/Larry Lee
12. 湾岸ウィング→The Boys Of Summer/Don Henley
13. Boy's Life→Any Way You Want It/Journey
14. Stay The Young→Time Out Of Mind/Steely Dan
15. SKY LOVE→Together Forever/Rick Astley
16. GOOD MORNING KISS→C'est La Vie/RobbieNevil
17. Paradise Road→Mandolin Rain/Bruce Hornsby and the Range
18. 君の自由→Everybody Wants To Rule The World//Tears For Fears
19. 雨の日は→If/Bread
20. SLIDE ON YOUR SEASON→Peace of Mind/Boston
さて、ピンときたものがありましたでしょうか?
ちなみに、当方は洋楽は全然聴いたことがなく、よくわかりません。
最近、次の本が刊行されました。
シティ・ポップに愛をこめて 名曲・名盤ルーツ探訪の旅
木村ユタカ
シンコーミュージック・エンタテイメント
2022年
2400円+税
日本のシティ・ポップの曲を紹介し、1曲ごとに、その「もとねた」または「参照されたであろう」洋楽を並べて紹介するという本です。
(ただし、大瀧詠一作品は、同著者の前著『ナイアガラに愛をこめて 大瀧詠一探訪の旅』にて紹介されており、この本には掲載されていません。)
そのような企画に対し、共感できるか、賛同できるかは、さておいて、われらが村田さんの作品も20曲も取り上げられています。しかも、ありがちな「初期のアルバム5枚」に限られていない、という点もうれしい点です。
せっかくですので、ぜひ、書店などでご覧いただき、「そうそうこの曲に確かに似てる」とか「いや、この曲は違うだろ」などと楽しんでいだければと思います。
よろしくお願いします。
あ~、暑い、もう夏か?
ということで、村田さんのアルバムを聴こう。と思ったときに、さて、どのアルバムを選びましょうか? そして、選ぶ時の理由は?
大抵は、その時の気分で選ぶということなのだと思いますが、それに、発表された当時の当方の状況や記憶なども加味されて、選んでいるのだと思います。
そして、様々な要素のせいで、聴くアルバムに結局かたよりが生じて、個人的には、21世紀になってからの『Now Recording』以降のアルバムは、聴く機会が少なかったりします。
もう少し、システマティックに選んで聴いてみてもいいのかな、かたよりを減らすような工夫をしてもいいのかなと、現時点では思っている次第です。
皆さんはいかがでしょうか?