今回は、安藤秀樹という歌手のネタから始まりますが、しばらくすると村田さんにたどり着きますので、お赦しください。
ご存じかもしれませんが、安藤秀樹という歌手がいます。作詞家としての活動から始まり、1986年には歌手としてもデビュー、永らく活動歴があります。Spotifyには、もともと『ADACHI』という8枚目のアルバム(東京都の足立区ご出身のようです)しか配信されていませんでしたが、ふと見てみたら、1枚目から、昨2021年に発表された『Can't you hear me & All Time Best』まで、配信に追加されており(ただし、昨年のアルバムについては2枚組のうちDISC 1のみ)、これで、2枚のベスト盤『GOLDEN☆BEST Limited 安藤秀樹 〜ダウンタウンからの贈り物』(2016年)、『GOLDEN☆BEST Limited 安藤秀樹 〜ダンディからの贈り物〜』(2017年)以外のすべてのアルバムが収録されたことになりそうです。個人的には、1枚目のアルバム『ZOO PICNIC』(安部隆雄・編曲)が好きで、その後の作品も追っていたということがあります。なお、編曲家の安部隆雄さんはベーシストで、安部王子と呼ばれることがあります。そう呼ばれる理由までは知りませんが。
さて、安藤秀樹の配信の中に、「アルバム未収録音源」という見慣れぬ名前のアルバムがありました。これは実際にはアルバム名ではなく、その表現のとおり、シングルやそのc/wなどアルバム未収録の作品を集めた、配信オリジナルのコンピレーションです。これはすごい。確かに、以前、安藤秀樹についてシングル作品がアルバムに収録されているかどうかを調べたことがあって、別に安藤秀樹さん特有の現象ではないのですが、結構シングル作品とそのc/wがアルバムに収録されていないなという感じを受けていました。そういう意味では、こういった「アルバム未収録音源」が配信されるのは大変うれしいことです。実際、要望もかなり多かったのではないでしょうか?
ただし、完全に確認できたわけではありませんが、シングルの中でも「笑いとばせ 泣きまくれ」は収録されていないようです。『GOLDEN☆BEST Limited 安藤秀樹 〜ダンディからの贈り物〜』にすでに収録されているからということかもしれません。ただ、このアルバムは配信されていないので、「笑いとばせ 泣きまくれ」は配信では聴くことができないということになります。ぜひ2枚の『GOLDEN☆BEST Limited』も配信していただきたいものです。
さて、ここから話はやっと村田さんに向かいます。
もう言わずもがなでしょうが、村田さんでも「アルバム未収録音源」という配信ができないか、ということです。いや、村田さんの場合、シングルやそのc/wは「オリジナルカラオケ」も含めて、ほとんど各アルバムのボーナストラックに収録されているんではなかったでしたっけ? 確かに「ほとんど」そうですが、しかし、すべてではありません。とともに、「オムニバス収録曲」という鬼門とも呼べるアルバム未収録作品が数多くあります。それらを集めて、村田盤『アルバム未収録音源』を配信していただけないものでしょうか?
どうか、よろしくお願いいたします。
今まで触れたことはありませんでしたが、このテーマはタブーでしょうか?
このお二人、「夏っぽい」という面では近いところもありますが、接点は今まであったのでしょうか?
「師匠」の山下達郎さんが、やはり音楽的には近いところにあるものの(というか、はっきりいうと、角松さんが山下フォロワーのお一人だと言っていいでしょう、別にけなしているわけではありません)、角松敏生さんとの実際の接点がなかったこともあって、村田=角松という直接の関係も、なかったのではないでしょうか?
では、「ワンクッション」置けば接点があるんじゃないか、と思い、村田さんの方から手を伸ばすと、杉真理、伊豆田洋之、安部恭弘、山本圭右、濱田金吾、松下誠、斎藤誠、鈴木雄大、小板橋博司、杉山清貴、河内淳一などなど、それでも、どうも角松敏生とつながりません。
しかし、可能性がないわけではなりません。
ご存じかもしれませんが、1990年代半ばにNUTS(ナッツ)という元JADOESの平間あきひこ(Keyboards)が作ったユニットがあり、ボーカルに曽利ケイコのち斎藤友美という人を迎えていました。「ナッツ」というユニット名は、おそらく「夏」ですね。さて、このユニットの1枚目のアルバム『TICKET TO HAPPINESS』(1995年)が配信されており(2枚目の『TWO OF US』(1996年)も配信されています)、その中の、1984年にシングルとしても出されている「夏がまた来るね」という曲で、村田さんのコーラスを聴くことができます。クレジットを確認したわけではありませんが、まず間違いないと思います。Spotifyでも聴くことができますので、お試しください。なお、シングルのバージョンのほうはYouTubeで確認したところ別アレンジで、村田さんのコーラスはありませんでした。
これは、当時聴いたことがあるわけではなく、つい最近聴いて気づいた次第です。なお、NUTSの2枚のアルバム中、村田さんのコーラスが聴き取れた作品は、この1曲だけでした。
JADOES(も当方はよく聴いたことはありませんが)までくれば、さて、角松敏生までもう一息です。さらに調べてみましょう。
なお、実は、「杏里」という接点が存在するのですが、これも調べきれていないので(とともに、杏里はそもそも聴いたことすらないので)また後日。
最後に一応基本データを。
村田和人:1954年生まれ、1982年デビュー(アルファ・ムーン)
角松敏生:1960年生まれ、1981年デビュー(RVC)
最近気づいたのですが、Spotifyの配信の中に『午後のボッサ カフェ・ビートルズ』(2010年)というコンピレーションアルバム(オムニバスアルバム)が含まれており、この中に、村田さんの作品が1点含まれています(12曲目)。
・Eight Days A Week
この曲が存在するということは、以前ご紹介していましたかね?
取り急ぎ以上まで。
皆さんもよくご存じだと思いますが、昔、「I Love KAZ!」というページがありました。残念ながら、なくなって久しくなります。10年以上たってしまったかもしれません。
http://diana.minnie.ai.kyutech.ac.jp/tocomo/KAZ/index.html
今でも、そのほとんどが「WayBackMachine」を用いて見ることができます。一部、画像ファイルなどは見ることができないようです。
ただ、やはり新しい情報が含まれていないという不便さはあります。
他人頼みで申し訳ないのですが、ネット上のどこかに村田さんの情報を集積したサイトを作っていただけないものでしょうか? この場でも再三希望してきたものの実現していない「村田本」の替わりともいえるでしょう。
ウエブサイトの場合、最初の制作も大変ですが、その後の維持・更新もなおさら大変なような気がします。それゆえ、個人の方による「ファンサイト」は、なかなか継続が難しい。しかし、一人に任せるものではないWikipediaにおける「村田和人」の記事を見ると、どうにも頼りない、という現状から、何とかならないものかと、「他人頼み」を続けている次第です。
No.1200で「ナイアガラ・トライアングルVol.2」の再発について触れましたが、これに関連して、次の本が刊行されています。
NIAGARA TRIANGLE Vol.2読本
監修:湯浅学
別冊ステレオサウンド
2022年
2750円(本体2500円)
あまり「ナイアガラ・トライアングルVol.2」の再発そのものについては関心がないにもかかわらず、この本をご紹介するのは、『ひとかけらの夏』の紹介がp141に掲載されているからです。
p115からの次の記事の中の1枚として『ひとかけらの夏』が取り上げられています。
『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』深聴きのためのアルバム30選
80年代ナイアガラ・サウンドの源流と末流を知る
伊藤隆剛/小林慎一郎/松山晋也/湯浅学/編集部
『ひとかけらの夏』のレビューの執筆者は湯浅学さんです。ただ、レビューの中には、大瀧詠一、佐野元春、杉真理の3人の名前は全く出てきておらず、何故このアルバムが取り上げられているのかは、よくわかりません。おそらく、山下達郎というワンクッションを置いて選んでいるのだとは思いますが、山下達郎も「Vol.2」とは無関係ですから(とともに、山下達郎のソロアルバムは、この「30選」の中では1973年の自主制作のものしか取り上げられていない(『SONGS』と『Vol.1』はありますが))、かなり距離がありますね。ただ、取り上げられた理由はともかく、取り上げられているのですから、それだけで喜ぶべきかもしれません。
せっかくですので、取り上げられている全30枚を以下記載します。
1973 ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY 山下達郎
1975 SONGS シュガー・ベイブ
1976 FLAPPER 吉田美奈子
1976 NIAGARA TRIANGLE Vol.1 山下達郎、伊藤銀次、大滝詠一
1977 マリ・アンド・レッド・ストライプス マリ&レッド・ストライプス
1977 FUNNY WALKIN' 佐藤奈々子
1978 スインギー 住真理&レッド・ストライプス
1977 SWEET SWINGIN' 佐藤奈々子
1978 ビギニング 竹内まりや
1980 BACK TO THE STREET 佐野元春
1980 CHEF'S SPECIAL 須藤薫
1980 SONG WRITER 杉真理
1980 G.S.I LOVE YOU 沢田研二
1981 SAILING DREAM 五十嵐浩晃
1981 STRIPPER 沢田研二
1981 REFLECTIONS 寺尾聰
1981 HEART BEAT 佐野元春
1981 A LONG VACATION 大滝詠一
1981 風立ちぬ 松田聖子
1982 BABY BLUE 伊藤銀次
1982 AWAKENING 佐藤博
1982 OVERLAP 杉真理
1982 SOMEDAY 佐野元春
1982 NIAGARA SONG BOOK Niagara Fall Of Sound Orchestral
1982 NIAGARA CM SPECIAL VOL.2
1983 ひとかけらの夏 村田和人
1984 EACH TIME 大滝詠一
1987 HAVE A HOT DAY! 杉真理
1991 SLOW SONGS 佐野元春
2019 NIAGARA CONCERT '83 大滝詠一
以上ですが、かなり偏りありますね。村松邦男や大貫妙子のアルバムが入っていてもいいように思うのですが、山下ソロも取り上げられていないので無理でしょうか。むしろ、鈴木茂のソロの方があってふさわしいのかも。特に1970年代の大瀧作品がほぼ取り上げられていないということが残念です。
この本は、刊行されてあまり時間がたっていないので、まだ書店で見られるのではないかと思いますので、機会がありましたら、ぜひご覧ください。もしかすると、公立図書館でも所蔵しているところがあるかもしれません。ただ、一般書籍ではなく、雑誌の別冊なので「雑誌扱い」となり、公立図書館で所蔵しているケースはなかなかないかもしれません。
目にすることが難しいという点を考えても、こういう村田さん関係記事をどこかでまとめていただきたい、、、何度も同じことを繰り返して申し訳ないのですが。