以前、CDやレコードに付されている「JAN」について探し出すことが難しいというようなことを書きましたが(「JAN」を調べる(1081)(2019年12月8日))、実は、レコードやCDのいわゆる規格品番も探すことが難しい場合があります。
Wikipediaの「村田和人」のページでふと気づいたのですが、シングル「SARA!/風とコロナ」(1989年)の品番(EP)が「RT07-2***」となっています。検索すればそんなものはすぐにわかるだろう、と高をくくって調べ始めたのですが、あにはからんや、さっぱり見つかりません。
「SARA!」の8cmCDSの品番「XT10-2331」やプロモーション用のEPの品番「PRT-1370」は見つかるのですが、それまでです。(なお、Wikipediaには掲載されていませんが、8cmCDS「SKY LOVE」の品番は「XT10-2043」です。)
この「SARA!」のEPの規格品番をご存じの方は、ぜひお教えください。
ネット上には、本当に情報が不足しています。
そもそも、村田さんの作品に限らず、このEPを出した「東芝EMI・EastWorld」が自社の全商品(レコード、CD)の品番の一覧をネットで公開していればそこから発見できないわけはありません。しかし、レコード会社(CD会社)がそんなリストを一般にネットで公開しているのを見たことはありません。それさえあれば、何も問題なく、すぐに発見できるはずなのに。
レコードやCDを作っている(作っていた)会社は、自分たちの仕事の記録をネット上に残そうという気持ちがないのでしょうか? 強く疑問を感じます。リストがすでにあるのならそれを、ない場合には、これからそういうリストを作成してそれを、ネットで公開していただきたいものです。消滅しているレコード会社のレコード・CDについては、その会社の権利や資料を引き継いでいる会社にお願いしたいところです。
そういうリストがいかに有用かは明らかで、求めている人も数多いのではないかと思います。
どうぞよろしくお願いします。
なお、ついでですが、「134枚のみプレス」と説明書きのある「134号ストーリー/SARA!」(PRT-1382)というプロモオンリーの7インチシングル(EP)(1989年)の画像を発見しました。不思議なものがあるものですね。一番上に
134号エリア・ユース・オンリー
スーパー・リミテッド
プロモーション・シングル
とありますので、国道134号エリア(横須賀、三浦半島、湘南、大磯あたりか?)だけで配布したものかもしれません。
https://aucfree.com/items/h436682430
なお、この例から推測すると、実は、「SARA!」のEPはプロモーション用だけだったという、「大どんでん返し」の可能性も残ります。この可能性を否定するだけの材料もない、というのも現時点での事実です。それというのも、結局は、前述のように、会社・レーベルごとの「レコード・CDリスト」が公表されていないため、確認ができないということが原因です。1989年と言えば、EPとCDSの過渡期で、このようなことがあったとしても、おかしくない時期だったとも言えます。
ご存じのとおり、今年に入って、『ひとかけらの夏』のSACDが発売されましたが、これは、ワーナー・ミュージックからでした。過去の『ひとかけらの夏』を見てみると、2006年盤もワーナーだったのですが、2012年盤はFLY HIGH RECORDSからでした。
これはいったいどういう権利関係になっているのでしょうか?
一旦、FLY HIGH RECORDSに移転したが、また戻ったということでしょうか?
以前にもご紹介しましたが、そもそも、FLY HIGH RECORDSの2012年盤では、品番が3つもある。
VSCD-1735、WQCQ-347、FRCD-018
1つ目はヴィヴィド・サウンド、
2つ目はワーナー、
3つ目がフライ・ハイ・レコーズですね。
ということは、ワーナーのままなんでしょうか?
でも、ワーナーのページでは、2012年盤は紹介されていない。
https://wmg.jp/murata-kazuhito/discography/
ヴィヴィド・サウンドのページには、2012年盤はあります。
フライ・ハイ・レコーズのページは見つかりませんでした。(「はてなブログ」は見つかりましたが、CDが一覧できるようなページは見つかりませんでした。)
以前も同じこと調べてませんでしたか?
レコードやCDなど、音楽の権利関係は複雑で未だによくわかりません。
新しいレコードやCDが出されると(または出される予定があると)、インタビュー記事というものが雑誌に掲載されたりします。インタビューほどではなくても、ニューアルバムの紹介記事や、もっと短いものでは、アルバムレビューのようなものが掲載されたりします。
以前、『Now Recording』が出された当時(2008年)か、次のアルバム『ずーーっと夏。』のとき(2009年)だと思いますので、かなり昔ですが、『Now Recording』のアルバムを出すことを村田さんご本人はもともとそれほど乗り気ではなくて、でも、一旦出して見たら、予想外に好評で、結果として『Now Recording+』をメジャーから出すことになった、そのことでファンからの期待も実感できたので、その後、またアルバムを制作していこうという気持ちになった、というようなことをどこかで読んだ記憶があります。
今となっては、どこで読んだのかよくわからず、もしかすると、当方の記憶間違いで、こんなことはなかったのかもしれません。しかし、そのような記事があったのかどうかを発見する方法もありません。もしかすると、インターネット上にあるのかもしれませんが、そうであっても、現行の「検索」システムの能力がかなり悪いので、見つけることは不可能でしょう。
このことの結論として申し上げたいのは、そういった個々の記事が、思った以上に重要であるということです。にもかかわらず、容易には発見することができないという状況になっているということです。
そして、これを解決するには、あらかじめそれらを集めておくしかありません。結局、いつものところに戻ってくるのですが、そういった記事もふくめた内容の、網羅的な「村田本」を夢見ております。
おなじみ、ペットサウンズ・レコードの村田和人通販ページを見てみますと、
http://www.petsounds.co.jp/ordermurata.html
「店頭品切中」がかなり増えてきています。いや、むしろ、店頭品切中ほうが多いくらいです。
例えば、初期の5枚などは、2006年盤も2012年盤も配信で聴くことができるわけですから、CDなど必要ないという考え方もあるでしょう。特に、先に配信を聴いたかたなどは、あとからわざわざCDを買うなんて、とお思いになる場合も多いのではないでしょうか? CDなどなくても、すでに聴くことができる。
しかし、配信は、永遠に継続されるのでしょうか? 個人的には、そこが心配です。会社が倒産する、そこまで行かなくても、配信サービスを中止する、そこまで行かなくても、村田作品が配信の対象外となる(その理由は直ちには想像できませんが)。あらかじめダウンロードしておけば、配信サービスが消滅しても大丈夫なのか、そこもよくわかりません。
いずれにしても、CDがなくなった(生産が終了した)あとに、配信までなくなると、もう聴くことが(少なくともしばらく、または、当分の間)できなくなってしまう可能性があります。
そういった事態を避けるためには、必要最低限のCDは入手しておいた方が安全だと思います。
このようなCDと配信の「バランス」のようなもの、引き続き検討してみたいと思います。
「シティ・ポップに愛をこめて 名曲・名盤ルーツ探訪の旅」について、前回ご紹介しましたが、たかだか20曲ですので、取り上げられている村田さんの作品だけ、曲名と参照されている外国曲(2曲の場合もあります)を以下列挙します。
1. 終わらない夏→Say You'll Be Mine/Christopher Cross
2. 一本の音楽→Ventura Highway/America、Love Takes Time/Orleans
3. Catching The Sun→Waking And Dreaming/Orleans
4. Summer Dream→The Theme From "A Summer Place"/Percy Faith And His Orchestra、End Of A Song/Orleans
5. 台風ドライブ→Let Be There Music/Orleans
6. Tralvelin' Band→Caught Up In You/38 Special、Hold On Loosely/38 Special
7. 幻影(イリュージョン)→Long Ago And Far Away/James Taylor
8. あの波をつかまえて→Travelin' Blues/Loggins & Messina
9. SEXY PACIFIC→Sherry/The 4 Seasons
10. 25時のアベニュー~LOVE YOU FOR THE NIGHT~→One Of These Nights/Eagles
11. JUST A LITTLE LOVE→Don't Talk/Larry Lee
12. 湾岸ウィング→The Boys Of Summer/Don Henley
13. Boy's Life→Any Way You Want It/Journey
14. Stay The Young→Time Out Of Mind/Steely Dan
15. SKY LOVE→Together Forever/Rick Astley
16. GOOD MORNING KISS→C'est La Vie/RobbieNevil
17. Paradise Road→Mandolin Rain/Bruce Hornsby and the Range
18. 君の自由→Everybody Wants To Rule The World//Tears For Fears
19. 雨の日は→If/Bread
20. SLIDE ON YOUR SEASON→Peace of Mind/Boston
さて、ピンときたものがありましたでしょうか?
ちなみに、当方は洋楽は全然聴いたことがなく、よくわかりません。