鈴木雄大というミュージシャンがいますが、村田さんとの関係では、「A, M, S&I」の4人のうちの1人ということになります。
1982年にデビューしていますが(実際には、それより前、1980年に一旦デビューしているようです)、個人的には、1980年代当時から名前は知っているものの、その作品はほぼまったく聴いたことがありませんでした。
この鈴木雄大さんに次のアルバムとシングルがあります。
アルバム:Jellyfishとラブソング(2000年1月21日・PRCA-3001、PROVE RECORDS)
シングル:太陽の匂い(2000年8月23日・PRCA-3002、PROVE RECORDS)
『Jellyfishとラブソング』は鈴木雄大さんにとっては9枚目のアルバムで、前作から10年ぶりの作品です。
前出のA,M,S&Iのアルバム『奇跡はここにあるのさ』(ポリスター)は、1999年11月1日発売ですから、アルバム・シングルのいずれもその翌年の作品ということになります。ということで、何か関係がないか少し調べてみました。
まず、アルバムのほうですが、収録曲は、以下のとおり。
1. In my way,Day by day,Make my day(作詞:鈴木雄大、作曲:鈴木雄大)
2. 真夜中にベルが鳴る(作詞:吉元由美、作曲:鈴木雄大)
3. 奇妙な人(作詞:鈴木雄大、作曲:鈴木雄大)
4. I wish I'm on my way(作詞:鈴木雄大、作曲:鈴木雄大)
5. おひる(作詞:鈴木雄大、作曲:鈴木雄大)
6. 君の上にある空(作詞:鈴木雄大、作曲:鈴木雄大)
7. 虹(作詞:吉元由美、作曲:鈴木雄大)
8. Rainy Summer(作詞:鈴木雄大、作曲:都倉俊一)
「編曲」については記載はありません。ただ、おそらく、基本的には鈴木雄大さんご本人の手によるのではないかと。なお、「Synthprogramming」として、それぞれ以下のお名前の記載があります。
1. In my way,Day by day,Make my day(Synthprogramming:鈴木雄大)
2. 真夜中にベルが鳴る(Synthprogramming:岸村正実、鈴木雄大)
3. 奇妙な人(Synthprogramming:鈴木雄大)
4. I wish I'm on my way(Synthprogramming:鈴木雄大)
5. おひる(Synthprogramming:鈴木雄大)
6. 君の上にある空(Synthprogramming:鈴木雄大)
7. 虹(Synthprogrammingの記載はなく、String Arrangement:岸村正実)
8. Rainy Summer(Synthprogramming:岸村正実、鈴木雄大)
岸村正実さんとは、鈴木雄大さんが率いている?バンド「天才トノサマBAND」のメンバーのお一人(Key&Vo)です。
http://tentono.music.coocan.jp/gakuya1.html
4曲目に、コーラスで伊豆田洋之さんが参加していますが、それ以外には、「A,M,S&I」のメンバーの名前は見当たりません。
そして、シングルのほうですが、収録曲は、以下のとおり。
1. 太陽の匂い(作詞・作曲:鈴木雄大、編曲:鈴木雄大・岸村正実)
2. 君の上にある空~Single Version~(作詞・作曲:鈴木雄大、編曲:鈴木雄大・Taka Sato)
3. CHANGE THE WORLD(作詞・作曲:T.Sims / W.Kirkpatrick / G.Kennedy、編曲:鈴木雄大・岸村正実)(注)1996年のエリック・クラプトンの作品のカバー
4. 太陽の匂い(Backing Track)(作曲:鈴木雄大、編曲:鈴木雄大・岸村正実)
2曲目のTaka Satoさんは、漢字表記は記載されていませんが、天才トノサマBANDのメンバーというか、ライブに参加歴のある佐藤克彦さん(G&Vo)とは違うようです。あるいは「To Be Continued」の佐藤鷹さん(Key)の可能性もありますが、よくわかりません。
3曲目は、Background Vocalsとして、鈴木雄大さんご本人のほか、安部・村田・伊豆田の3氏のお名前があります。しかし、コーラスの編曲をしているというような記載はありません。
ということで、特にシングルの3曲目を実際に聴いてみましたが、必ずしも「A, M, S&Iの作品」だとは言えそうにありませんでした。なにより、残念ながら、コーラスで村田さんの声が聴き分けられないくらいです。
なお、今回、このアルバムとシングルについて、ネット上でいろいろと調べてみたのですが、収録曲まではわかるものの、それ以上の情報は発見することができませんでした。参加ミュージシャンまでは無理だとしても、「作詞・作曲・編曲」くらいまでは、どこかに掲載されていてほしいところです。何度も書いておりますが、やはり、世の中には情報が不足しすぎています。ありふれた情報はいくらでもあるのに、結局自分で実物を手にしないと、詳しい情報はわからないという状況です。
ただ、次のような鈴木雄大さんの2003年のインタビュー記事があるので、参考になります。A, M, S&Iも出てきます。
http://www.moment.gr.jp/9/music.html
最後に、鈴木雄大さんのこの2枚を出しているPROVE RECORDSという会社は、西司さんの『RE-INTRO』(1999年12月18日、PRCA-1001)というアルバムを出している会社と同じレコード会社です。なぜでしょうか? 実は、そのことについても、すぐ上にご紹介したインタビュー記事に少し書かれています。ご関心のあるかたはどうぞ。なお、鈴木雄大さんのこのアルバムからは、西司さんを感じる部分もあったのですが、声が繊細な点以外にも、何か共通点があるのかもしれません。
村田さんについて検索をしていたら、少し古い情報ですが、次のページを発見しました。
https://merurido.jp/topic.php?srcbnr=36381
・ソロ活動15周年を迎えるイケメンアコギ女子・荒牧リョウの放つ、渾身の15曲入りフルアルバム『ソウルフル』が2019年12月11日に発売。
そして、
・ゲストミュージシャンに・・・、村田和人バンドの全メンバー(向山テツ、湯川トーベン、山本圭右、友成好宏、小板橋博司)・・・
・荒牧が音楽をやる上での師匠としているのが、荒牧の生まれ年に山下達郎氏プロデュースでデビューの村田和人氏。今回はその村田和人氏の当初からのバンドメンバーの全員が数曲にゲスト参加し、その世代の人には懐かしいサウンドが味わえるはず。
おお、それはすごい。荒牧リョウというお名前は初耳ですが、それなら聴いてみようか、と思い始めました。ところで、全15曲中のどの曲なんだろうか? と、このページを見ても…、実はわかりません。
何という中途半端な情報なのでしょうか。聴けばわかる? いや、多分当方はわかりませんが、仮にわかるとしても、情報を提供しない「言い訳」にはなりません。
ためしにタワーレコードのページを見てみましたが、
https://tower.jp/item/4972913/%E3%82%BD%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AB
同じようなレベルの情報しか掲載されておらず、どの曲に村田バンドのメンバーが参加しているのかはわかりません。なお、作詞・作曲・編曲情報も掲載されていません。
おそらく、レコード会社(ワイルドファーム)が提供した情報がこのレベルにとどまっていたということなのでしょう。そうすると、もうネット上では情報は見つからないのではないかと諦めかけました。
ちなみに、このアルバムはSpotifyでも配信されていて、聴くことは可能なのですが、ご存じのとおり、Spotifyのような配信サービスには編曲家や参加ミュージションを掲載するというシステム(アイデア)自体がありませんので、情報を得ることはできません。配信の大きな問題点はここなのですが、この点については、また機会を改めて書いてみたいと思います。
さて、そこで、発想を全く変えて、荒牧リョウの公式ページのようなものがないのだろうか、そこに情報はないだろうかと調べてみたら、ありました。以下のとおり。
http://ryoaramaki.com/discography
1. Awakening feat. 野村義男
2. Automatical
3. タカラモノ feat. 野村義男
4. 真夏のSunshine feat. 村田バンド
5. ミチシルベ feat. 鶴
6. No Regrets
7. 輝いて feat. 野村義男
8. PARADISE
9. 心に太陽 feat. 村田バンド
10. CHAOS
11. You’ve Got A Love
12. It’s Show Time! feat. 鶴
13. OUT
14. 海
15. All For You
要するに、4曲目と9曲目です。また、何と参加ミュージシャンもこのページに記載されており、それを見ると、村田バンドの5人のメンバーのうち、山本圭右・友成好宏の両氏は、この2曲以外に、11曲目にも参加しています。
発見できて、すっきりしました。(ただし、作詞・作曲・編曲情報はありませんでした。)
やはり、この程度の情報は、すべての作品について、ネット上に掲載していただきたいところです。特に、CDがそもそも制作されない、または、あったとしてもCDを入手することを大前提としていない「配信時代」の現在であれば、なおさらです。しかも、すぐに発見できるような場所にお願いします。今回も、あちらを調べたりこちらを調べたりと、時間がかかりました。こういった「検索」に世の中でどれだけ(無駄な)時間が使われているのか、を考えると気が遠くなります。AIを活用して、検索に時間がかからず、一度の検索で情報が発見できるような、検索エンジンの大きな進化を望みます。
ということで、皆さん、ぜひお聴きください。この3曲のみならず、荒牧リョウのその他のアルバム・シングルもSpotifyで聴くことができますので、そちらもぜひお試しください。
最近、山下達郎のRCA/AIRで発売された8枚のアルバムが、2023年8月2日にLPレコードとカセットテープでまとめて発売されるということが話題になっています。
レコードとカセットテープが復活しつつあるのは、悪いことではないと思いますが、個人的には、これらのメディアに未来はあるのだろうか、と疑問に思います。
一時的には流行ったとしても、長期にわたって再生機器が製作・販売し続けられるのだろうか、という点が、最大の疑問点です。独立したCDプレーヤーですら、今後どうなるだろうか、という時代になってしまっているのではないかと思いますので、ましてや、レコードプレーヤーやテープレコーダーに未来があるようには思えません。レコードは持っているのだが、レコード針が入手できなくなって聴くことができない、とか、カセットテープは持っているのだが、テープレコーダーが故障しているので聴くことができない、というようなことにならないかと懸念します。
ただ、未来がなくても、今欲しい人、今聴きたい人がいれば、制作すればいいということなのかもしれません。
山下達郎の場合、今回は「RCA/AIR」時代だけですが、すでに「MOON/WARNER」時代は、時期的にはばらばらでLPも発売されています(再発の時にCDと同時など)。1990年代初期までは、発売当初からカセットテープも発売していたようですので、今後「MOON/WARNER」時代についても、カセットテープ再発(初カセットテープ化)もありうるかもしれません。
さらに、もしかすると、今後この動きがひいては村田作品のLP/EPやカセットテープ再発につながるかもしれないのではないか、と期待と不安?を感じています。
なお、個人的には、誰かのアルバムをカセットテープで買ったという経験は、今までありません。カセットテープは、録音されたものを手に入れるというよりは、やはり、FMからエアチェックしたり、LPレコードをダビングしたりと、「録音するもの」というイメージです。
先に、「公立図書館と音楽配信」(No.1244)で、「要するに、配信しか存在しない作品は、公立図書館に所蔵されることはない、という結論です。」と一方的に結論付けてしまいましたが、無駄を承知で少し考えてみましょう。
まず、Spotifyのような無料の配信サービスがある場合には、公立図書館を頼ることなく、この配信を使えばいいのですから、これ以上考える必要はありません。それゆえ、以前N.1242で、公立図書館を補う役割などと書いたのですが、配信を聴くことが有料の場合には、図書館と同じではなくなります。ゆえに、ここでは、無料の配信が存在しないという前提で考えます。ちなみに、Spotifyが無料の配信をやめるという可能性がいつでも存在すること、忘れてはなりません。
さて、どうするか?
単純なところから始めると、公立図書館が配信サービスに登録してダウンロードした音楽を貸し出すという方法があります。
障害となるのは、
1.技術的に「貸し出す」システムを開発せねばならないということ。電子書籍の「貸出し」のシステムを応用すれば可能なのでしょうか?
2.ダウンロードした音楽にそもそも「貸し出す」という権限が含まれていないのではないか、ということ。
前者は、新たにシステムを開発すればいいのですから、価値の創造や雇用の創出につながるということで、ポジティブにとらえればいいと思います。時間はかかるのかもしれません。後者は、現時点では、いかんともしがたく、やむを得ないのではないかというところ。また、見直しの議論もなさそうですから、実現への道を切り開くのための足がかりが発見できないという状態ではないかと思います。
やはり、配信音楽作品の貸出は無理だという結論に戻りそうです。
うーん、すぐには、これ以上先に進めそうにありません。しかし、さらに考えてみます。
これだけ音楽配信が世の中で普及しますと、音楽は配信だけでいい、CD(やレコード)は不要である、そういう考え方の強くなってきているのではないでしょうか。
しかし、必ずしもそうとは言い切れない、そんな例の1つを書いてみたいと思います。
そうとは言い切れない1つの理由は、公立図書館の存在です。
そもそも、公立図書館におけるCDの所蔵や貸出は、限定的な範囲でしかなく、書籍に比べれば、あまりに貧弱な、あまりに不完全な所蔵です。収集基準もよくわかりません。うがった見方をすると、図書館のその時点の司書のかたの意識や熱意によって、バラツキが生じているのではないかと思います。加えて、困ったことに、紛失が多いのも事実です。前に借りたCDをもう一度借りようと思ったら、もう所蔵されていなかった、などというケースを経験したことがあります。けれども、意外なCDが所蔵されていて、うれしい驚きをすることもあります。
結論としては、あまり期待はできないけれど、意味がないわけでもない、というところです。
さて、では、音楽配信の場合、「所蔵」という観点から公立図書館が何かできることがあるでしょうか? 電子書籍の収集すらままならぬ現時点で、配信について検討している公立図書館など、存在しないことでしょう。要するに、配信しか存在しない作品は、公立図書館に所蔵されることはない、という結論です。すなわち、CDがあるほうが、所蔵される可能性が残っているという意味で、幾分かましだということです。
そういう観点のみからでも、CDの存在価値はまだまだあると思っています。
ということで、非常に簡単ですが、本日は以上にて。