これだけ音楽配信が世の中で普及しますと、音楽は配信だけでいい、CD(やレコード)は不要である、そういう考え方の強くなってきているのではないでしょうか。
しかし、必ずしもそうとは言い切れない、そんな例の1つを書いてみたいと思います。
そうとは言い切れない1つの理由は、公立図書館の存在です。
そもそも、公立図書館におけるCDの所蔵や貸出は、限定的な範囲でしかなく、書籍に比べれば、あまりに貧弱な、あまりに不完全な所蔵です。収集基準もよくわかりません。うがった見方をすると、図書館のその時点の司書のかたの意識や熱意によって、バラツキが生じているのではないかと思います。加えて、困ったことに、紛失が多いのも事実です。前に借りたCDをもう一度借りようと思ったら、もう所蔵されていなかった、などというケースを経験したことがあります。けれども、意外なCDが所蔵されていて、うれしい驚きをすることもあります。
結論としては、あまり期待はできないけれど、意味がないわけでもない、というところです。
さて、では、音楽配信の場合、「所蔵」という観点から公立図書館が何かできることがあるでしょうか? 電子書籍の収集すらままならぬ現時点で、配信について検討している公立図書館など、存在しないことでしょう。要するに、配信しか存在しない作品は、公立図書館に所蔵されることはない、という結論です。すなわち、CDがあるほうが、所蔵される可能性が残っているという意味で、幾分かましだということです。
そういう観点のみからでも、CDの存在価値はまだまだあると思っています。
ということで、非常に簡単ですが、本日は以上にて。