No.1200で「ナイアガラ・トライアングルVol.2」の再発について触れましたが、これに関連して、次の本が刊行されています。
NIAGARA TRIANGLE Vol.2読本
監修:湯浅学
別冊ステレオサウンド
2022年
2750円(本体2500円)
あまり「ナイアガラ・トライアングルVol.2」の再発そのものについては関心がないにもかかわらず、この本をご紹介するのは、『ひとかけらの夏』の紹介がp141に掲載されているからです。
p115からの次の記事の中の1枚として『ひとかけらの夏』が取り上げられています。
『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』深聴きのためのアルバム30選
80年代ナイアガラ・サウンドの源流と末流を知る
伊藤隆剛/小林慎一郎/松山晋也/湯浅学/編集部
『ひとかけらの夏』のレビューの執筆者は湯浅学さんです。ただ、レビューの中には、大瀧詠一、佐野元春、杉真理の3人の名前は全く出てきておらず、何故このアルバムが取り上げられているのかは、よくわかりません。おそらく、山下達郎というワンクッションを置いて選んでいるのだとは思いますが、山下達郎も「Vol.2」とは無関係ですから(とともに、山下達郎のソロアルバムは、この「30選」の中では1973年の自主制作のものしか取り上げられていない(『SONGS』と『Vol.1』はありますが))、かなり距離がありますね。ただ、取り上げられた理由はともかく、取り上げられているのですから、それだけで喜ぶべきかもしれません。
せっかくですので、取り上げられている全30枚を以下記載します。
1973 ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY 山下達郎
1975 SONGS シュガー・ベイブ
1976 FLAPPER 吉田美奈子
1976 NIAGARA TRIANGLE Vol.1 山下達郎、伊藤銀次、大滝詠一
1977 マリ・アンド・レッド・ストライプス マリ&レッド・ストライプス
1977 FUNNY WALKIN' 佐藤奈々子
1978 スインギー 住真理&レッド・ストライプス
1977 SWEET SWINGIN' 佐藤奈々子
1978 ビギニング 竹内まりや
1980 BACK TO THE STREET 佐野元春
1980 CHEF'S SPECIAL 須藤薫
1980 SONG WRITER 杉真理
1980 G.S.I LOVE YOU 沢田研二
1981 SAILING DREAM 五十嵐浩晃
1981 STRIPPER 沢田研二
1981 REFLECTIONS 寺尾聰
1981 HEART BEAT 佐野元春
1981 A LONG VACATION 大滝詠一
1981 風立ちぬ 松田聖子
1982 BABY BLUE 伊藤銀次
1982 AWAKENING 佐藤博
1982 OVERLAP 杉真理
1982 SOMEDAY 佐野元春
1982 NIAGARA SONG BOOK Niagara Fall Of Sound Orchestral
1982 NIAGARA CM SPECIAL VOL.2
1983 ひとかけらの夏 村田和人
1984 EACH TIME 大滝詠一
1987 HAVE A HOT DAY! 杉真理
1991 SLOW SONGS 佐野元春
2019 NIAGARA CONCERT '83 大滝詠一
以上ですが、かなり偏りありますね。村松邦男や大貫妙子のアルバムが入っていてもいいように思うのですが、山下ソロも取り上げられていないので無理でしょうか。むしろ、鈴木茂のソロの方があってふさわしいのかも。特に1970年代の大瀧作品がほぼ取り上げられていないということが残念です。
この本は、刊行されてあまり時間がたっていないので、まだ書店で見られるのではないかと思いますので、機会がありましたら、ぜひご覧ください。もしかすると、公立図書館でも所蔵しているところがあるかもしれません。ただ、一般書籍ではなく、雑誌の別冊なので「雑誌扱い」となり、公立図書館で所蔵しているケースはなかなかないかもしれません。
目にすることが難しいという点を考えても、こういう村田さん関係記事をどこかでまとめていただきたい、、、何度も同じことを繰り返して申し訳ないのですが。