中島みゆきって、ほとんど聴いたことがなかったので、今まで長らく知らなかったのですが、最近たまたま気づきました。
中島みゆきの15枚目のアルバム『中島みゆき』(1988年)(デビューアルバムでもないのに、アルバムタイトルに自分の名前をつけるというのもすごいですが)の最後(9曲目)の曲「ローリング」に村田和人・山本圭右の両氏が、コーラスで参加しているのです。この曲の作詞・作曲は中島みゆきご本人ですが、編曲が椎名和夫さんのなので、そのつてでこのお二人がコーラスに呼ばれたのではないかと推測できます。しかし、調べてみると、椎名和夫編曲作品は、このアルバム内でも他に何曲もあり、また、1つ前の『36.5℃』でも編曲している作品が収録されています。にもかかわらず、村田・山本のお二人が登場するのはこの曲だけ。なぜこの曲だけなのか、そもそも、なぜこの2人をわざわざ中島みゆきという、いわば大きく「畑違い」のミュージシャンのアルバムに呼んだのか、逆にこのお二人がこの仕事を受けた理由はなんだったのか、その辺りの経緯は全く分かりません。
残念ながら、このアルバムはSpotifyでは配信されていないので(というか、中島作品は、なぜか、シングルしか配信されておらず(しかも、全シングルではない模様)、アルバムは一切含まれていません、シングルに限定している意図がよくわからず、不思議ですね)、いろいろと探して聴くことができました。なお、1993年のセルフ・カバーのアルバム『時代-Time goes around-』に収録されている同曲は、別バージョン(編曲は瀬尾一三)で、村田・山本のコーラスはないようです(未確認)。
さて、聴いてみますと、以前も同じようなことを書きましたが、山本さんの声はかろうじてわかるような気がするものの、村田さんの声はわかりません。お二人がコーラスをしているという情報がないまま聴いても、気づくことはできなかったでしょう。村田さんについては、他人の作品で他の人と一緒にコーラスをする場合、どうしても、「控えめ」になってしまい、「村田らしさ」が前面に押し出されてこないことがほとんどのようです。
とはいえ、クレジットに明記されていて、コーラスをしていることは間違いありませんので、チャンスがあれば、ぜひお聴きください。
よろしくお願いします。
何と、村田さんの4枚目、5枚目も、BRIDGEから再発されるそうです。なぜ、この2枚だけが遅れて発売されることになったのか、経緯はよくわかりません。
3枚目までと同じ、2006年盤の収録曲と同じで、リマスター、解説付きだそうです。
以降、これら5枚が「2023年盤」と呼びならわされていくのでしょうか?
基本情報は以下のとおりです。
村田和人/ Showdown (+8)
2,300円(税込2,530円)
レーベル:BRIDGE INC.
品番:BRIDGE383
JAN:4582561399107
フォーマット:CD
発売日:2023/9/13
http://bridge-inc.net/?pid=176522106
村田和人 / Boy’s Life (+9)
2,300円(税込2,530円)
レーベル:BRIDGE INC.
品番:BRIDGE384
JAN:4582561399114
フォーマット:CD
発売日:2023/9/13
http://bridge-inc.net/?pid=176522324
なお、今回の再発の3枚目まではすでに発売されていますが(とはいえ、どなたが解説を書いているかの情報はありませんが)、Spotifyでは配信されていません。とすると、5枚とも配信はされないのでしょうか。
なお、懸念されるのは、同じアルバムが増えてきて、そろそろ混乱が始まるのではないかということです。特に「2006年盤」と「2023年盤」は収録曲が同じなので、MP3などの状態になると、区別できない状態になるのではないかと思います。
いやいや、すでに混乱は起きている、ということかもしれません。
注意して見守っていきましょう。
またもや再発情報です。
村田和人の『GO POP』のLPレコード(ヴァイナル)が再発されます。2023年11月29日発売、税込4400円。ちなみに、オリジナルは1988年発表です。
https://store.universal-music.co.jp/product/upjy9345/
以前から村田さんのLPが出そうな感じはしていたので、ほのめかすようなことも書いていました。その意味では、LPが再発されること自体は不思議ではないのですが、しかし、その最初がこのアルバムとは意外な気がします。というのも、個人的にはよく聴いたこともあり好きなアルバムなのですが、ご本人があまり気にいっていなかった、という話があるからです。「打ち込み」にしすぎてしまって、ライブでの再現になじまない、ということが理由なのかと思います。
しかも、このアルバムだけというのもちょっと疑問です。
ただ、選択肢が増えることは悪いことではありません。レコードが欲しい人はレコードを選びましょう、ということでいいのではないでしょうか。
個人的には購入しようとは思わないので、お好きな方はどうぞという気持ちです。
以下、基本情報です。
規格品番:UPJY-9345
レーベル:ユニバーサルミュージック
SKU:4988031591949
最後に、この再発は「《東芝EMI》の隠れた名盤をアナログレコードで振り返るシリーズの第一弾。今回はシティ・ポップの要素を感じ取れる5タイトルをリリース!」というものの1枚で、他の4枚は以下のとおりです。
RAJIE / 午後のレリーフ
岩下清香 / 眠らせないで
畠山美由紀 / Fragile
芦部真梨子 / ストリート・スキャンダル
Bridgeという会社からの初期3枚再発についてですが、もうまもなく発売ですので(8月9日発売予定)、追加の情報がないかと探してみました。するとありました。
また明日(+5)
http://bridge-inc.net/?pid=175648675
ひとかけらの夏(+5)
http://bridge-inc.net/?pid=175648703
My Crew(+9)
http://bridge-inc.net/?pid=175648723
・リマスタリング
・解説あり
でも、誰による解説なのでしょうか? 名前がないということは、特に外部の音楽評論家などではなく、社内のかたによるという意味なのでしょうか? それとも、名前の書き忘れ?(または、重要でないと考えて、あえて記載していない?)
いつもながら、中途半端の情報は困りますね。
それから、さらに1点。
『ひとかけらの夏』のボーナスの、「13. Summer Dream(Instrumental ver.)」ですが、井上鑑による、オリジナルカラオケではないインストのはずですが、今回の再発では、オリジナルカラオケまでも「インスト」と記載していて、その結果区別がつかなくなっていてややこしいですね。区別を明確にしていただきたかったところです。と思って、Spotifyを念のために見てみたら、配信されている「2006年盤」のボーナスでも、「オリジナルカラオケ」という表記はすでになくなっていました。もともとは、「インストゥルメンタル」と「オリジナルカラオケ」を使い分けていたのはずなのですが、いつの間にか変えてしまったのですね。いやいや、困ったものです。
なお、「JAN」と「SKU」とは、この3作品では同じようなのですが、要するに、同じものなのでしょうかね? 未だによくわかりません。
この話題、以前にも書いたかもしれません。
平松愛理の「月のランプ」が出たときですから、1990年のことでしょう。
FM東京(現在は、TOKYO FMですが、当時はまだぎりぎりこの名称だったはずです)で、何かの企画をしていて(その内容は全く覚えていません、ただ、この1990年にFM東京という名称がTOKYO FMに変わったので、それに関連するキャンペーンだったのかもしれません)、いろいろな日本のミュージシャンが最近のお薦めの作品(自分の作品ではなく他人の作品)を1~2分で紹介するというコーナー(スポット)をいくつも放送していました。その中で、村田さんが登場。何かの番組を聴いていた途中に出てきたのか、それとも、FMを流しっぱなしにしていた時にたまたま耳にしたのか、それすら覚えていません。
そのコーナーで村田さんは、平松愛理さんの「月のランプ」を紹介し、大絶賛していました。聴いてみると、確かにいい曲だったのです。
平松愛理は「HONEY & B-BOYS」で知っていたので、デビュー時から注目はしていました。しかし、1~2枚目のアルバムまでは、もともと好きな西平彰の編曲にもかかわらず、ぱっとしない印象を受けていました。ところが、この「月のランプ」というシングルから、編曲が清水信之に変わったのですが、見違えるようによくなりました。このシングルを聴いたとき、編曲でこんなにも違うんだと、編曲の重要性を改めて認識しました。なお、清水信之さんは、その後平松さんと結婚しましたが、やがて離婚してしまいましたので、平松さんの話題であまり強調するのはいけないのかもしれません。
実は、もう1つエピソードがあります。
おそらく、平松愛理さんが、世の中によく知られるようになったのは、次のシングル「素敵なルネッサンス」からでしょう。夜のバラエティ番組のエンディングに使われたことも関係しているでしょう。(ただ、今回確認したら、「月のランプ」も同様に使われていたことを知りました。びっくり。)
この作品も編曲は清水信之ですが、その前奏は、短時間ながらも二部構成になっています。独立性の強い「第一イントロ」と「第二イントロ」がある。松任谷正隆の作品でもこのような実例がありますが、非常に工夫されたアイデアで、印象にも残ります。そして、この「素敵なルネッサンス」で当方が最も好きな部分は、平松さんには申し訳ありませんが、この「第一イントロ」なのです。何か、「青」のイメージを強く受けるこの部分が非常に好きなのです。この曲はSpotifyなどで自由に聴くことができますので、関心のあるかたはお試しください。なお、ある音楽作品の中で、前奏が最も好きだとか、間奏が最も好きだとか、後奏が最も好きだとかいうのは、当方にとっては特別なことではなく、ごく普通にある話です。
さて、前説が長くなりましたが、話はここからです。前述のとおり、このシングルは、テレビ番組のエンディングに使われていたのですが、その部分をたまたま見ることがありました。すると、なんと、当方が一番好きな「第一イントロ」をカットしているではありませんか。要するに「第二イントロ」から始まっているのです。おそらく、番組で流す時間が短いから早くボーカルにたどり着かせようという趣旨だったのでしょうが、愕然としました。独立性が強いので(前述のとおり)、「第一イントロ」だけをカットしても違和感はなく作品としては成立しうるのですが、最も好きな部分をカットされたときの気持ちは表現のしようがありません。テレビ業界ってとんでもない、と大いに落胆・立腹したものです。