とりあえずAmazonを見てみると、21世紀の作品も含めて、村田作品は、かなりデジタルでの流通が進んでいるようです。
デジタルで流通されていないのは、かえって有名なアルファムーン/ムーンレコード時代の作品ばかりのような気がします。
逆にいえば、アルファムーン/ムーンレコード時代は、まだ一切デジタルで流通されていないのか? 特別な方針があるのでしょうか?
ぜひ、アルファムーン/ムーンレコード時代の作品もデジタルで流通させていただきたいものです。それも、ボーナストラックも含めて。
なお、『P-CAN』も、もともとの流通経路的にデジタル流通化は無理なんでしょうか?
そして、村田さん関係で、あとデジタル流通化ができていないのは、ユニット系ですね。
最後に、できれば、アルファムーン/ムーンレコード2006年盤のセルフライナーもデジタルで販売していただけたらと思います。それも、楽曲とは独立して。
以上いろいろと書きましたが、ぜひともよろしくお願いします。
>>1083
村田さんの「カラオケ」作品について書きましたが、「カラオケ」といえば、No.1055でご紹介したHoney & B-Boysの『Back to Frisco』(+10)ですね。なんと、11曲中9曲もカラオケが存在している、逆にカラオケがないのが2曲(「1000mbのサヨナラ」「酒とバラ」)だけ、というすごさ。
No.1055にも書きましたが、なぜこんなにカラオケが残っていたのでしょうか? カラオケのない2曲はなぜにないのか?
ところで、ボーナストラックとして「On the Wind」も収録されていますが、「村田和人&B-Boys」のメンバーについては、解説、対談、村田ライナー(ライナーはオリジナルのときに書かれたもののようですので、そもそもボーナストラック「On the Wind」は対象ではない)などにも何も記載されていませんでした。
ところで、No.1084で「村田さんと村松さんの接点って、なかったのだろうか?」と書きましたが、いきなり、この「Honey & B-Boys」のアルバムで、村松邦男さんが1曲提供(「Make It Beautiful」)、ギターとしても(その作品に?)参加していました。
「ひとかけらの夏」2006年盤の「セルフライナー」より、当時から当方が大好きな2曲について。
4. So long, Mrs.
82年に"LADYOH(レイディー・オー)"という
アイドルの3人組に提供した作品。メロディ、アレ
ンジ、詞、どれをとっても出色の出来映えだと思う。
大滝詠ーさんがとても気に入ってくれて、カセット
の片面全部この曲で埋めて車の中で聴きまくってく
れたそうな。安藤芳彦君の詞も最高傑作の部類に
入るだろう。人によってはこの歌が女々しく聞こえ
るらしいが、とんでもない。昔の恋人が今は違う人
と幸せになっているのを、嬉しく、また甘酸っぱく、
そして自分が幸せにしてあげられなかった口惜しさ
を、上手く歌っているのだ。男なら、きっとこれと同
じ経験をした人がいるに違いない。口には出せな
いが、女性のみなさん、これが正直な男の気持ちな
のですよ。コーラスにはまりやさんも参加。
7. やさしさにGood-bye
達郎さんがアルパム中一番好きだと言っていた
曲。この曲でもそうだが、アルバムのギターとパー
カッションなどの小物類は、ほとんど逹郎さん自身
でプレイしている。元ドラマーの逹郎さんは、コチ
ョコチョと色んなパーカッションを持ち出しては、シ
コシコ録音していた。この曲では、珍しいオートハ
ープという楽器も演奏している。ギター・ソロも達
郎さん。速く弾くといったテクニックより歌心を大事
にする姿勢は、今も新鮮な理由かもしれない。
「So long, Mrs.」については、自信のほどをうかがわせるコメントですが、それだけの作品だと思います。初めて知った大瀧詠一さんのエピソードも面白いですが、村田さんが必死に言い訳めいたコメントを書いているのは、当時、具体的に誰かに(女性に?)実際「女々しい」といわれた経験があったからでしょうか? でも、以前にも書きましたが、個人的にも、この安藤さんの詞は、とてもうるわしくて好きです。
他方「やさしさにGood-bye」のほうは、かわいらしいタイトルですが、今度は山下さんのエピソードより村田さんの自信をうかがわせる内容で、確かにいい作品です。パーカッションについての記述は、大瀧さんもそうだと思うのですが、山下さんの好奇心(実験精神)というかパーカッション重視の姿勢を示すものですね。確かに、コーラスとともに、パーカッションは極めて重要で、その作品の「感じ」に決定的な影響を及ぼすこともあります。パーカッションではありませんが、(エレクトリック)シタールも山下さんの印象が強くて、いや、いろいろな楽器に「手を出して」いますね。
なお、村松邦男さんの「Hasta El Verano」(ミニアルバム『ツーリスト』収録)という作品(のギター)に、この曲に近いものを感じます。山下と村松、思った以上に近い部分があるのかもしれません。なお、村田さんと村松さんの接点って、なかったのだろうか?
それでは、来年もよろしくお願いします。
よいお年をお迎えください。
以前からご紹介しているように、2006年に販売された、村田さんの「ALFA MOON - MOON」時代の5枚のアルバム、その2枚目から5枚目にカラオケが多く収録されていて、2012年の再発では、これはすっかりなくなり、ライブ音源になっています。
以前から不思議に思っていたのですが、これらのカラオケは、どういう基準で残されていたのでしょうか? カラオケが存在するということは、わざわざ、ボーカルを入れなかったマスターテープを残した、ということでしょう。なぜ、これらの曲が選ばれたのか?
以前、山下達郎さんのアルバムのセルフライナーか何かで読んだ記憶があるのですが、マスターテープはコストがかかる(要するに高い)ので、最終のマスターテープは保存しているものの(紛失してしまっているケースもあるようです?)、その1つ前、ボーカルの入っていないカラオケの状態のマスターテープは通常はもう残しておく必要はないので、そのあとの別の録音に使いまわしされて残っていない、というようなことでした(アーティスト本人が仮に残したくてもレコード会社の意向(コスト節約)で残せない)。他方、大瀧詠一さんのようなかたは、カラオケを残すことにこだわっておられるから、ナイアガラトライアングルVol.2の2011年の「30th Edition (2CD:SRCL 8002-3)」などは、全曲カラオケのDisc 2があるような状態です(しかも、「A面で恋をして」はコーラスの有り無しの2曲もカラオケがある)。
こう考えると、村田さんのケースは、いかにも中途半端です。再発4枚全13曲のカラオケが存在するわけですが、以下の通り、一般にカラオケを残そうと考えそうなシングル作品ばかりではありません(半分はシングル曲ではない)。一見、何を基準にこれらの曲について、あえてカラオケを残しているのかがよくわからないように思います。
ひとかけらの夏
14. 一本の音楽(カラオケ)(ボーナス・トラック)→シングル曲ではあるものの、シングルヴァージョンかどうか記載なし
15. Catching The Sun(カラオケ)(ボーナス・トラック)→シングル曲ではあるものの、シングルヴァージョンかどうか記載なし
MY CREW
17. WEEKEND LOVE(カラオケ)(ボーナス・トラック)→シングル
18. SEXY PACIFIC(カラオケ)(ボーナス・トラック)→シングルではない
19. SUMMER VACATION(カラオケ)(ボーナス・トラック) →シングルではない(現在では、竹内まりやがデュエットで参加しているからか、それなりに有名な作品だが、当時から有名になることを推測していたとは考えにくい)
Showdown
15. JUST A LITTLE LOVE(カラオケ) (ボーナス・トラック) →シングルではない
16. ORLEANS ~想い出のオーリアンズ~(カラオケ) (ボーナス・トラック) →シングルではない
17. LOVE YOU FOR THE NIGHT ~25時のアベニュー~(カラオケ) (ボーナス・トラック) →シングルではない
18. SEE YOU AGAIN(カラオケ) (ボーナス・トラック) →シングルのc/w
Boy's Life
14. Boy's Life(カラオケ) (ボーナス・トラック) →シングルではない、ただアルバムのタイトル曲ではある
15. Stay The Young(カラオケ) (ボーナス・トラック) →シングル
16. 湾岸ウィング(カラオケ) (ボーナス・トラック)→シングル
17. Love Is a Mystery(カラオケ) (ボーナス・トラック) →シングルではない
逆にシングルごとに見てみると
1.電話しても⇒カラオケなし
(C/W) 波まかせ風まかせ⇒カラオケなし
2.Catching The Sun⇒カラオケあるが、シングルヴァージョンかどうか不明
(C/W) LADY SEPTEMBER⇒カラオケなし
3.一本の音楽⇒カラオケあるが、シングルヴァージョンかどうか不明
(C/W) WHISKY BOY⇒カラオケなし
4.WEEKEND LOVE⇒カラオケあり
(C/W) UP TO LOVE⇒カラオケなし
5.SHOW MUST GO ON⇒カラオケなし
(C/W) Dance With Me⇒カラオケなし
6.25時のアベニュー⇒カラオケなし
(C/W) SEE YOU AGAIN⇒カラオケあり
7.湾岸ウィング⇒カラオケあり
(C/W) In The Southern Sky⇒カラオケなし
8.Stay The Young⇒カラオケあり
(C/W) Morning Slelction (Honey & Bee Boys) ⇒2006年盤の村田ソロアルバムにはカラオケないが、2019年発売のHoney & B-Boys『Back to Frisco+10』にはカラオケが収録されている(なお、『Back to Frisco+10』については、ちゃんと聴いた後に、何かを書いてみたいと思っています)
以上16曲中、「カラオケあり」は6曲(Morning Selection除く)、「A面」だけだと、8曲中カラオケ5曲。なお、シングルのカラオケで唯一c/wなのは「SEE YOU AGAIN」で、その「A面」側の「25時のアベニュー」はカラオケはありません。
どうも、一貫した方針があったようには思えません。
で、嫌な予感がしますのは、これらのカラオケをあえて残していたのではなく、たまたま残っていた、これだけが見つかった、または、他にも見つかったが、発表する音源として使えなかった、などということはないでしょうか?
事実がどうだったのか、これ以上はちょっともうわかりませんね。
最後に、最近は便利なもので、これらのカラオケは、ネットで「試聴」(一部のみ、たいてい最初の部分のみ)というのができますが、実際に聴いてみると、「Boy's Life」だけですが、冒頭に、オリジナルにはない、スティック音、ギター、掛け声が入っています。ご関心のある方は、試聴をお試しあれ。
カラオケなどというものは原曲のボーカルを取ったものでしかない、などと思い込んでいると足をすくわれるかもしれない、ということで、カラオケだからといってあなどってはいけませんね。
以前から疑問に思っていたことがあります。村田さんと濱田金吾さんとは、どのように接点があったのでしょうか?
ご存じのとおりかと思いますが
・Moon Kids:2001年、濱田金吾、松下誠と結成したユニット
というのがあります(Wikipediaの「村田和人」の「その他、音楽ユニット」の項目より)。
まずは、このユニットの実態は何なのか?
アルバムなどは残されていないので、ライブを行ったのみ、ということでしょうか?
2001年という時期から考えて、すでにムーンからも離れているわけで、ムーンレコードとは関係なく、3人が自主的に(?)結成したグループであることは間違いないと思いますが、ネット上で検索してみても、詳細な情報はないようです。
例えば、ライブをしたというのであれば、いつどこで開催されたのか? 活動期間はどの程度だったのか? また、ライブで演奏した作品は、誰のどの作品だったのか? オリジナル作品はあったのか?
わからないことだらけです。
勝手に想像するに、ライブは、短期間にほんの数回しか開催されていないのではないか、と思っています。
ライブに参加なさった(行った)方がおられたら、ぜひ情報をお願いしたいところです。
さて、このユニットはユニットとして、アルファ・ムーン時代については、次の接点が見つかります。
『また明日』(1982年)には、村田、濱田、松下の3人でコーラスをしている曲が5曲あり、次のとおりです。
「電話しても」「想いは風に」「LADY SEPTEMBER」「GREYHOUND BOOGIE」「BE WITH YOU」(最後の曲は、3人以外にも、「CHO.」として山下達郎、難波弘之、椎名和夫のクレジットあり)
しかし、次の『ひとかけらの夏』(1983年)ではクレジットに濱田、松下の2人の名前はありません。
2001年に戻りますと、この時期の村田さんの他のユニットのアルバムは、Jean & Gingers(村田和人、山本圭右、小板橋博司、吉川みき)の『The Greatest Hits』が1998年、A,M,S&I(安部泰宏(安部恭弘)、村田和人、鈴木雄大、伊豆田洋之)の『奇跡はここにあるのさ』が1999年ということになります。この2作に続いて、「Moon Kidsのアルバム」という可能性も実はあったんじゃないかと思います。
こちらについても、どなたか、何かご存じありませんでしょうか?
なお、個人的には、濱田さんは、村田さんのイメージである「海、太陽」とはむしろ逆に近く、「都会、夜」のイメージがあります。ですから、かえって、この2人の組み合わせは面白いかもしれません。
ちなみに、濱田さんといえば、1980年デビューの「シティ・ポップス」の代表格。デビューは村田さんより2年早いわけですが、年齢的にも、村田さん(1954年1月2日生まれ)の1歳上(1953年1月17日生まれ)と近いですね。
濱田さんは、最近ご紹介した川村康一さんの新作にもかかわっておられたりして、まだまだご活躍のご様子で、なによりです。また、1980年代の作品も比較的容易に入手可能な状態ですが、残念ながら、作品そのものを超えた情報はあまりないように思います。その知名度や高い評価の割には、謎多きアーティストというのが、当方の印象です。
(ただ、このあたりの時期、1970年代後半から1980年代前半にかけては、他にももっと情報不足なアーティストが多数いるので、濱田金吾さんははるかにましなほうかもしれません。)
「濱田本」までは必要ないかもしれませんが、ネット上のどこかにまとまった情報が、それも村田さんとの関係にもかなり触れているような情報が掲載されることを強く希望いたします。
濱田金吾さんについては、とりあえず次のページもご参照ください。
http://lins-beach.com/detail/?no=3
ついでに、Moon Kidsのもう1人のメンバー松下誠さんについては、なおさら情報がない、濱田金吾さんの作品の編曲家やギタリストとしてしかほとんど知らない、というところです。あとは、個人的にAB'sをよく聞いているというくらいで、村田さんとのつながりは、村田和人→安藤芳彦→松下誠、というようなところかと想像しています。松下さんについては、書けることはほとんどありませんが、それでも、またの機会があれば何かは書きたいと思います。
最後に、実は、2001年当時に、Moon Kidsについてのご投稿をいただいていました(almeeさんというかたから)。
ご関心のある方は、随分昔の投稿ですが、No.111からNo.124あたりをご覧ください。
次のページに掲載しているリンク先にあります。
http://textream.ikaduchi.com/murata.html
よろしくお願いします。