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村田和人(むらた・かずひと)

「ひとかけらの夏」2006年盤の「セルフライナー」より(1084)

「ひとかけらの夏」2006年盤の「セルフライナー」より、当時から当方が大好きな2曲について。

 

4. So long, Mrs.

82年に"LADYOH(レイディー・オー)"という

アイドルの3人組に提供した作品。メロディ、アレ

ンジ、詞、どれをとっても出色の出来映えだと思う。

大滝詠ーさんがとても気に入ってくれて、カセット

の片面全部この曲で埋めて車の中で聴きまくってく

れたそうな。安藤芳彦君の詞も最高傑作の部類に

入るだろう。人によってはこの歌が女々しく聞こえ

るらしいが、とんでもない。昔の恋人が今は違う人

と幸せになっているのを、嬉しく、また甘酸っぱく、

そして自分が幸せにしてあげられなかった口惜しさ

を、上手く歌っているのだ。男なら、きっとこれと同

じ経験をした人がいるに違いない。口には出せな

いが、女性のみなさん、これが正直な男の気持ちな

のですよ。コーラスにはまりやさんも参加。

 

7. やさしさにGood-bye

達郎さんがアルパム中一番好きだと言っていた

曲。この曲でもそうだが、アルバムのギターとパー

カッションなどの小物類は、ほとんど逹郎さん自身

でプレイしている。元ドラマーの逹郎さんは、コチ

ョコチョと色んなパーカッションを持ち出しては、シ

コシコ録音していた。この曲では、珍しいオートハ

ープという楽器も演奏している。ギター・ソロも達

郎さん。速く弾くといったテクニックより歌心を大事

にする姿勢は、今も新鮮な理由かもしれない。

 

So long, Mrs.」については、自信のほどをうかがわせるコメントですが、それだけの作品だと思います。初めて知った大瀧詠一さんのエピソードも面白いですが、村田さんが必死に言い訳めいたコメントを書いているのは、当時、具体的に誰かに(女性に?)実際「女々しい」といわれた経験があったからでしょうか? でも、以前にも書きましたが、個人的にも、この安藤さんの詞は、とてもうるわしくて好きです。

 

他方「やさしさにGood-bye」のほうは、かわいらしいタイトルですが、今度は山下さんのエピソードより村田さんの自信をうかがわせる内容で、確かにいい作品です。パーカッションについての記述は、大瀧さんもそうだと思うのですが、山下さんの好奇心(実験精神)というかパーカッション重視の姿勢を示すものですね。確かに、コーラスとともに、パーカッションは極めて重要で、その作品の「感じ」に決定的な影響を及ぼすこともあります。パーカッションではありませんが、(エレクトリック)シタールも山下さんの印象が強くて、いや、いろいろな楽器に「手を出して」いますね。

なお、村松邦男さんの「Hasta El Verano」(ミニアルバム『ツーリスト』収録)という作品(のギター)に、この曲に近いものを感じます。山下と村松、思った以上に近い部分があるのかもしれません。なお、村田さんと村松さんの接点って、なかったのだろうか?

 

それでは、来年もよろしくお願いします。

よいお年をお迎えください。

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Akihoshi Yokoran
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