以前も触れたことのある、この「ON THE WIND/村田和人&B-Boys」という特別に制作されたシングル。
ここでの「B-Boys」が誰なのかを、さらに調べてみました。
もともと、『Boy's Life』にボーナストラックとして収録されていましたが(2006年盤も2012年盤も)、Honey & B-Boysの『Back to Frisco』の再発盤(1987年)のボーナストラックにも収録されていたことを今さら思い出しましたので、そこに何か説明等がないか見てみましたが、どうもなさそうです。
この曲そのものを一生懸命に聴いてみると、村田さん以外に2人の男性のボーカルが聞こえます。
しかし、当方の聞く限りは、オリジナルの「B-Boys」である、山本圭右さんでも西司さんでもありません。別の作品でデュエットしている根本要さんでもありません。デュエットという意味では、もちろん、あまりに声に特長のある杉真理さんでもありません。斎藤誠さんでもない。中野督夫さんでもないと思います。いろいろ村田さん周りで考えてみても、知っている声のかたが思い浮かびません。
いったいどなたなのか? 残る可能性としては、小板橋博司、湯川トーベン、河内淳一の3氏うちのどなたかなのか??
と調べてみると、湯川トーベン、小板橋博司の両氏のようです。その意味では、「範囲」という意味ですが、予想が当たっていたようです。
https://ameblo.jp/futamura-sun/entry-12343070694.html
(二村旅人のブログ)
しかし、こういう情報、整理してどこかにまとめていただけないものでしょうか。
そのためにも、しつこく「村田本」を希望します。
次の本が最近刊行されました。
「シティポップの基本」がこの100枚でわかる
栗本斉
星海社新書(発売元:講談社)
2022/02発売
価格 ¥1,100(本体¥1,000)
聞き慣れぬ新書ですが、実際に存在します。
この本に掲載されている100枚のアルバムがすべて適切なのか、という問題はありますが、それには触れません。
そしてこの100枚のうちの1枚として、村田さんの『ひとかけらの夏』(1983年)が選ばれています。
なお、この本の原則は、1アーティスト1アルバム、です。
先日のSACDでもそうでしたが、村田さんで1枚選ぶとなると、どうしてもこのアルバム『ひとかけらの夏』になってしまうのかもしれません。
確かに、親しみやすい名曲が多いですものね。
そういう意味では、この本をご覧になった若い皆さんには、とりあえずこのアルバムだけでも聴いていただきたいものだと思います。何度もご紹介していますように、CDを購入したりする必要はなくて、Spotifyでも簡単に聴くことができるのですから。
昨年末のNo.1187でご紹介した『ひとかけらの夏+2』(SACDハイブリッド)が2022年2月23日(水・祝)に発売されています。
(なお、2月22日の、村田さんの七回忌に合わせた、ということではないですよね?)
その後、このアルバムについての追加の情報などを期待していたのですが、見つかりませんでした。
また、初期5枚のうち他の4枚についても何も動きがないようです。
今回の「SACDハイブリッド」というのは、同時に、松下誠『FIRST LIGHT』、亜蘭知子『浮遊空間』も発売されていますので、やはりポイントは「SACDハイブリッド」という点だけなのか、という気もしています。
ちなみに、『ひとかけらの夏(+2;2022 Remaster)』として配信も開始されています。これで『ひとかけらの夏』は3種類が配信されていることになります。素晴らしいことです。
なお、このアルバムについては、今後も情報が出てこないか、引き続き追っていきたいと思います。
個人的にはCDにこだわっているところが強くありますが、世の中一般で考えると、もうそんな時代ではなくなってきていると思います。
CDが欲しい、レコードが欲しい、そういう人がいても構わないので、そういう人向けの市場というのも、今後消滅はしないのでしょう。
しかし、全てのアルバムについてCDがある、などという時代はもう終わりを告げています。今後は、配信がメインとなって、ごく限られた作品しかCDが制作されない(再発されない)、そういう時代になって行くでしょう。要するに、現在のレコードが置かれた状態にCDもなっていく、完全になくなりはしないが(ごく)少数になるということだと思います。
とすれば、村田さんのCDがなくなってしまっても大丈夫なようにするためにはどうしたらいいか、をあらかじめ考えておいても損はしない、というか、将来を見据えて考えておくべきではないかと思います。
さて、前置きはそれくらいで、具体的に考えますと、CDにあって配信にはないものは何か? それは、歌詞カードやジャケットなので、より具体的には、歌詞とクレジットとあればライナーノーツ、そして贅沢を言えば「写真」ということになるのでしょう。
まず「写真」を片付けますと、ジャケットの写真は、配信では通常は「表(おもて)面」だけしか掲載されていません。「裏面」やアルバムによっては、「中面」があるかもしれません。さらに、歌詞カードには、いろいろと「写真」が掲載されている場合があります。村田さんの場合ならばこういった歌詞カードの写真には、極上の価値はないかもしれませんが(失礼!)、例えば男女問わずアイドル歌手などだったら貴重なものとなるのかもしれません。
さて、こういった写真・図版を配信上で掲載するとか、配信とは別のウエブサイトか何かに掲載できるのならば、この点に関してはCDである必然性はないように思われます。
同様に、それ以外の情報、すなわち歌詞であったりミュージシャンや制作にかかわった人々のクレジットであったりラーナーノーツであったりも、どこかに掲載されていればCDでなくてもいいということになりはしませんか?
具体例を見てみると、NO.1162でご紹介した西司さんのアルバム『NOAH』についてですが、その後確認したところ、歌詞もライナーノーツも西司さんのウエブサイトに掲載されています。そもそも、それ以上の情報(ジャケットの「裏面」やらその他の写真など)はこのCDに関しては存在しないのです(クレジットもありませんが、全部西さんご本人だけによる制作のようです)。
https://nishitsukasa.web.fc2.com/discography/album/noah.html
こう考えてくると、どこかにCDに付属した情報さえ掲載されていれば、CDである必然性はない、という結論になりそうです。CDのほうがいいなどというのは、単なるこだわりか、せいぜい「慣れ」にすぎないのではないか。CDに限らず、何か手でさわれる「物」がないと安心できない、という、その「気持ち」の問題ではないか。
さて、その結論で本当にいいでしょうか? この点については、これで終わりとせずに、もう少し疑い深く考えてみたいと思います。
前回「村田和人と佐橋佳幸2」のために、CDの歌詞カードを見つつ、これは佐橋さんだ、こちらは山本さんだと、入力していたのですが、こういう村田作品のクレジットが、どこかにまとまって掲載されないものでしょうか?
『All about Niagara』の例ではないですが、「村田本」が刊行されて、それに、村田さんのレコードやCDのジャケットや歌詞カードの図版もすべて掲載される、そうなったら非常にうれしいことですし、期待に胸が膨らみます。
しかし、もう今となっては、可能性はかなり低いかもしれません。
また、ネット上も、どこかにまとまっているということは期待できないでしょうか。
しかし、今までも、すでにいろいろと探していますし、存在しないのでしょう。
結局は、自分で必要の都度に入力しなければならないということなのでしょう。
大変残念なことです。