すでにご存じの方も多いかと思いますが、『また明日』『ひとかけらの夏』『MY CREW』の3枚が再発されます。2023年8月9日発売だそうです。価格は、税込2530円。
ボーナストラックを見ると、2006年盤と同じようです。リマスターをしているのかどうかについては、情報がありません。解説も付いているのでしょうか?
今回この3枚を発売する「Bridge」という会社は、過去のラインナップを見てみると、AB'S、芳野藤丸などがありますが、アイドルやクラシックも発売していたりと、一見しただけでは、あまり特長がわかりません。今回、なぜ村田初期3作品(しかも、ムーンの5作品全部ではなく3作だけ)を再発するのか、経緯的なところもよくわかりません。なお、紙ジャケではないようです。
2006年盤が入手できないどころか、2012年盤も入手しにくくなっているこの時期からすれば、いいタイミングといえばいいタイミングです(『ひとかけらの夏』は昨年のものが入手できますが)。また、2006年盤を入手し損ねていた方にも、いいニュースだとは思います(とはいえ、ボーナストラックも含めてSpotifyで聴くことはできますが)。しかし、中途半端感や不明瞭感が漂います。なぜ、5枚ではないのか。5枚全部でないのならば、わざわざ『ひとかけらの夏』はまた再発せねばならなかったのか? これで『ひとかけらの夏』は、何枚目のCDになってしまったのでしょうか。2006年盤より前にすでに2枚出ていて、2012年盤、昨年2022年のSACDハイブリッドがありますので、今回で6枚目ですね。
個人的には、疑問感や重複感がありすぎて、ちょっと入手はしないだろうなというところです。
最後に、3枚の規格品番とSKUを掲載しておきます。
また明日
規格品番:BRIDGE380
SKU:4582561399077
ひとかけらの夏
規格品番:BRIDGE381
SKU:4582561399084
MY CREW
規格品番:BRIDGE382
SKU:4582561399091
以前にも少し書いたことのある村田さんのDVDについて。
『KAZUHITO MURATA Best Live Performance of MOON Tracks』とは、2006年に、村田さんの初期5枚のアルバムとパイパー(Piper)の『LOVERS LOGIC』がワーナーから再発された際に、その6枚を購入した人への特典として制作されたDVDです。
自分では持っていないのですが、いまさらながら収録曲が確認できましたので、参考までに掲載しておきます。大文字・小文字などの記載は、DVDケースの裏側の表記のままです(「幻影」のフリガナの部分はケースの表記とは異なります)。
88.9.5. 日清パワーステーション
Stay The Young
JUST A LITTLE LOVE
ORLEANS ~想い出のオーリアンズ~
So Long Mrs.
SEXY PACIFIC
幻影(イリュージョン)
MOON BIRDS
Boy's Life
WE LOVE YOU
Travelin' Band
FIND SOMEBODY NEW
SEE YOU AGAIN
Morning Selection
台風ドライブ
夏のスケッチブック
95.9.30. 日清パワーステーション
LOVE YOU FOR THE NIGHT ~25時のアベニュー~
幻影(イリュージョン)
I’M LEAVING YOU
94.12.29. 日清パワーステーション
一本の音楽
以上19曲ですが、全87分ということです。
ところで、なぜ「幻影(イリュージョン)」だけ2曲あるんですかね?
また、「Morning Selection」は、山本圭右さんは当然ご参加でしょうが、他のお二人はまさか参加していないでしょう?
情報が出てくるかと思えば、それだけわからないことも出てくる、ということで、村田さんについてわからないことが増えていく感じです。
そういえば、前回ご紹介した「すけべんこいた」の「村田和人トリビュートライブ」が開催された2月22日は、いわずとしれた、村田さんの命日なわけですが、「命日」というのも何なので「村田の日」にしてしまってはどうか、というアイデアをネットで見ました。
それもいいかもしれません。
でも、「村田の日」をつくるのならば、むしろ、誕生日の1月2日のほうがいい?
「すけべんこいた」と言えば、村田ファンなら、想像がつくのではないでしょうか。
山本圭右
湯川トーベン
小板橋博司
「村田和人トリビュートライブ」がまだ続いているようです。
ずいぶん遅い気付きですみませんが、今年も、2月22日にあったようです。
今後の予定も、もう少し調べてみなければ。
前回の投稿後、たまたま調べたところ、『パイパー・クール・セレクション』が配信されている(サブスクに含まれている)ことがわかりました。
なぜかAmazonでは販売されていないのですが、Mora、LINE、Spotify、タワーレコードミュージックなどで発見できました。
ただ、以前からは配信・サブスクの大きな問題点として指摘している通り、配信・サブスクでは、基本的な情報(作詞・作曲・編曲など)も含めて、その作品に関するほとんど何の情報も提供されないので、配信・サブスクにより、「Moonlight Beach [edit]」とはどういう由来の作品なのか、ということはわかるはずもなく、全く期待はできません。
にもかかわらず、ここであえて、配信・サブスクをご紹介するのは、パイパーについて、今までは配信で聴くことができなかった多くの作品が(そういう状態である理由は全く不明で、全曲を配信していただきたいところですが、それは無理そうなので一部だけでもよしとしなければならないでしょう)、配信で聴くことができるようになったとご紹介したいという点とともに、新しい問題点を発見したからです。
配信・サブスクのCDに対するメリット・優位点は何でしょうか?
例えば、そもそも、いちいちCDを購入しなくてもいいこと、よってCDプレーヤーのような再生機器が不要であること、さらに、その点からしたがって、たくさんのCD買わざるを得ず、CDに埋もれるというようなことがなくても済む、求めている曲を探しやすい。CDであれば、1枚1枚かけかえないと、目指す曲を探せない、というケースもありうる。これは、大変です。まあ、レコードよりはましですが。
それとは異なる視点から、アルバム全体ではなく、個々の曲ごとに購入できる(したがって1曲ごとに聴くことができる)というメリットもあります。例えば、ある10曲入りアルバムが出たけれども、全曲を聴きたいわけではなく、そのうちの2曲だけを入手したい、という場合であっても、CDであれば、アルバム全体を購入せねばなりません。しかし、配信・サブスクの場合、その必要な2曲だけを手に入れるということが可能です。これは非常に大きなメリットです。費用も節約できます。
ところが、『パイパー・クール・セレクション』の場合、ボーナス・トラックである、次の曲だけが配信に含まれていません。
・Sunshine Kiz (live version) (1984.9.12 at LIVE INN) =Bonus Track=
以上でご紹介した、いずれの配信サービスでも、この19曲目は含まれていません。
ボーナストラックだけは配信せずに、
「ボーナストラックを聴きたいのならば、CDを買いなさい」
ということであれば(という意味にしか理解できませんが)、曲単位で購入可能である「配信」のメリット・価値がなくなる、といっていいすぎならば、半減するでしょう。
要するに、その1曲だけを購入してもらうのではなく、CD1枚全体を購入してもらう方が、レコード会社としては利益があるということなのでしょう。だから、CDを買う人を増やしたい。
短期的に見れば確かにそうなのかもしれませんが、やがてCDは品切れになる、そのときになって、ああ、配信に含めておけばよかった、と思うことになるのではないでしょうか。しかし、その時点で1曲だけ配信に追加するような面倒なことは、レコード会社は決してしないでしょう。そうして、聴くことができなくなる作品が増えていくのです。
そういう事態も想定して、最初からボーナストラックを外すようなことはせずに、もれなく配信しておいていただきたい。
結局CDを無理やり買わせようとするような(古い)「販売戦略」は、とにかくもうやめてほしいところです。望ましい姿は、CDが欲しい人はCDを買い、配信を望む人は配信で(曲ごとに)買う、そういう、聴く側に選択肢があるという状態です。