「すけべんこいた」と言えば、村田ファンなら、想像がつくのではないでしょうか。
山本圭右
湯川トーベン
小板橋博司
「村田和人トリビュートライブ」がまだ続いているようです。
ずいぶん遅い気付きですみませんが、今年も、2月22日にあったようです。
今後の予定も、もう少し調べてみなければ。
前回の投稿後、たまたま調べたところ、『パイパー・クール・セレクション』が配信されている(サブスクに含まれている)ことがわかりました。
なぜかAmazonでは販売されていないのですが、Mora、LINE、Spotify、タワーレコードミュージックなどで発見できました。
ただ、以前からは配信・サブスクの大きな問題点として指摘している通り、配信・サブスクでは、基本的な情報(作詞・作曲・編曲など)も含めて、その作品に関するほとんど何の情報も提供されないので、配信・サブスクにより、「Moonlight Beach [edit]」とはどういう由来の作品なのか、ということはわかるはずもなく、全く期待はできません。
にもかかわらず、ここであえて、配信・サブスクをご紹介するのは、パイパーについて、今までは配信で聴くことができなかった多くの作品が(そういう状態である理由は全く不明で、全曲を配信していただきたいところですが、それは無理そうなので一部だけでもよしとしなければならないでしょう)、配信で聴くことができるようになったとご紹介したいという点とともに、新しい問題点を発見したからです。
配信・サブスクのCDに対するメリット・優位点は何でしょうか?
例えば、そもそも、いちいちCDを購入しなくてもいいこと、よってCDプレーヤーのような再生機器が不要であること、さらに、その点からしたがって、たくさんのCD買わざるを得ず、CDに埋もれるというようなことがなくても済む、求めている曲を探しやすい。CDであれば、1枚1枚かけかえないと、目指す曲を探せない、というケースもありうる。これは、大変です。まあ、レコードよりはましですが。
それとは異なる視点から、アルバム全体ではなく、個々の曲ごとに購入できる(したがって1曲ごとに聴くことができる)というメリットもあります。例えば、ある10曲入りアルバムが出たけれども、全曲を聴きたいわけではなく、そのうちの2曲だけを入手したい、という場合であっても、CDであれば、アルバム全体を購入せねばなりません。しかし、配信・サブスクの場合、その必要な2曲だけを手に入れるということが可能です。これは非常に大きなメリットです。費用も節約できます。
ところが、『パイパー・クール・セレクション』の場合、ボーナス・トラックである、次の曲だけが配信に含まれていません。
・Sunshine Kiz (live version) (1984.9.12 at LIVE INN) =Bonus Track=
以上でご紹介した、いずれの配信サービスでも、この19曲目は含まれていません。
ボーナストラックだけは配信せずに、
「ボーナストラックを聴きたいのならば、CDを買いなさい」
ということであれば(という意味にしか理解できませんが)、曲単位で購入可能である「配信」のメリット・価値がなくなる、といっていいすぎならば、半減するでしょう。
要するに、その1曲だけを購入してもらうのではなく、CD1枚全体を購入してもらう方が、レコード会社としては利益があるということなのでしょう。だから、CDを買う人を増やしたい。
短期的に見れば確かにそうなのかもしれませんが、やがてCDは品切れになる、そのときになって、ああ、配信に含めておけばよかった、と思うことになるのではないでしょうか。しかし、その時点で1曲だけ配信に追加するような面倒なことは、レコード会社は決してしないでしょう。そうして、聴くことができなくなる作品が増えていくのです。
そういう事態も想定して、最初からボーナストラックを外すようなことはせずに、もれなく配信しておいていただきたい。
結局CDを無理やり買わせようとするような(古い)「販売戦略」は、とにかくもうやめてほしいところです。望ましい姿は、CDが欲しい人はCDを買い、配信を望む人は配信で(曲ごとに)買う、そういう、聴く側に選択肢があるという状態です。
No.1255にて書きました、パイパー(Piper, PIPER)のベスト盤『パイパー・クール・セレクション』について、すでにこのアルバムは5月31日に発売されています。タワーレコードの紹介ページで各収録曲の「試聴」が可能になっていましたので、由来不明であった収録曲「Moonlight Beach (edit version)」を聴いてみました。
すると、当方が勝手に推測していた5枚目のアルバム『LOVERS LOGIC』(1985年。2019年の再発盤)のボーナス・トラックとして収録されている「12. あなたのとりこ (エディット・ヴァージョン)」とは違う作品でした。
また、No. 1255では見落としていましたが、2枚目のアルバム『Summer Breeze』(1983年)の最後の曲が実は「Moonlight Beach」という曲でした。ところが、同じ曲のようですが、編曲が全く異なります。しかも、このベスト盤の「Moonlight Beach (edit version)」の演奏時間が「00:01:06」と非常に短い。通常の曲としてはありえない短さです。
ということで、「Moonlight Beach (edit version)」という曲は、やはりオリジナルアルバムやシングルから取られた曲ではなく、このベスト盤が初収録という、実質的なボーナストラック、ということではないでしょうか?
それにしても、いったい、この曲はどこから現れてきたのでしょうか? 推測すらできません。CDの歌詞カードには、何か説明が記載されているのかもしれません。実物を手にしない限りわからないのでしょうか? 何度も書いて申し訳ありませんが、世の中には本当に情報がないものですね。
「シティ・ポップに愛をこめて 名曲・名盤ルーツ探訪の旅(1213)」と「続・シティ・ポップに愛をこめて(1214)」で既出ですが、村田作品が洋楽に多大なる影響を受けていることは周知の事実です。デビューするまでは邦楽なんて全然聴いておられなかったようですので、当然と言えば当然なのでしょう。
しかし、個別の作品ということではなく、村田作品全般への洋楽の影響について深く掘り下げて紹介している文章というのは、見たことがありません。どこかにあれば、それを教えていただきたいところですが、なければ、どなたか、書いていただけないものでしょうか。ビートルズから始まってどこまで内容が広がるのか?(すでに書いたように、当方は洋楽についてはほとんど知らないのではありますが)
「村田本」に含まれる1つの項目としても、期待いたします。
前回、杉真理さんの「自伝」をご紹介しましたが、他方、「村田本」は未だ刊行せず、という現状です。
この状況で、当方が焦ってもまったく仕方ないのですが、関係者の皆さんの記憶が次第に薄れていってしまっているだろうなと思うと、それが未だ記録として残っていない、という点が心配です。
そういうものだといえば、確かにそうなのでしょうが、そうではないという選択肢もあるはずだと信じたいというのが今の気持ちです。