次の本が刊行されています。
魔法を信じるかい ミスターメロディ・杉真理の全軌跡
杉真理/佐々木美夏
DU BOOKS
2023/05?発売
価格 ¥2,750(本体¥2,500)
目次
カラー口絵
第1章 Boy's Life きかん坊のラジオ少年、ビートルズと出会う
第2章 僕らの日々 サークルと麻雀と留年と
第3章 I Write a Song 華々しくデビュー!のはずが
第4章 A面で恋をして ナイアガラトライアングルという名の幸運
第5章 懐かしき80’s 上昇気流をつかまえて
第6章 いとしのテラ 20代から30代へのプレゼント
第7章 レディオ我々 二巡目が始まり、松尾清憲と出会う
第8章 Band on the Run BOXの結成、初めて渡ったアビー・ロード
第9章 God Only Knows ウイスキーの、おかげでしょ?
第10章 愛こそはすべて バリ島が教えてくれた
第11章 世界の中心 いろいろな「始まり」と世紀末
第12章 Oh, Pretty Woman コント職人誕生、そしてオノ・ヨーコが叫ぶ
第13章 So Long Dad 父親の死、魔法の領域で起こったこと
第14章 最高の法則 ラジオスターの喜劇
第15章 An Old Fashioned Love Song チャレンジが続き、コロナがやって来た
第16章 君といた夏 須藤薫。大瀧詠一。村田和人。HABU。
第17章 魔法を信じるかい 奇跡はいつでもすぐそこに
活動年表
そもそも面白そうな本ですが、目次に村田さんのお名前も見えます。何が書かれているのか、実物を見ることができたら、またご報告します。
それにしても、村田さんにもこういう本があったらなあ。
次の本が刊行されています。
シティ・ポップとラジカセ
70~80年代のカセットテープ・カルチャーを振り返る
編著 開発社
徳間書店
第1刷 2023年3月31日
本体2000円+税
カセットテープに絡めた「シティポップ」本で、カセットテープそのものに関してはNo.1246に書きましたように個人的にはほとんどネガティブなのですが、稲垣潤一、杉真理、鈴木茂、伊藤銀次、EPOの5人のインタビューもありますので、あえてご紹介します。
そして、次の記事(20枚のアルバムを取り上げている)の中に村田さんのアルバムも含まれています。
○シティ・ポップ名盤選(馬飼野元宏)(p38~p44)
以下、p44の原文です。
ひとかけらの夏
村田和人|1983年/アルファ・ムーン
――――――――――――――――――
夏のけだるい空気を
パッケージングした傑作集
――――――――――――――――――
サマー・ポップスの名手・村田和人の2作目で、アレ
ンジとプロデュースに山下達郎が全面参加。「一本の
音楽」や、まりや&達郎作の「ニコニコ・ワイン」な
ど、バラエティーに富んだ楽曲と、パーフェクトな完
成度を誇るサウンドが一体化した夏の大名盤。
引用は以上で終了。
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山下達郎への言及は当然としても、わざわざ「ニコニコ・ワイン」を取り上げて竹内まりやに言及する必要はないでしょう。作詞に言及するなら、安藤芳彦さんが参加していますので、むしろこちらでしょう。やはり、山下・竹内夫妻の役割を強くとらえすぎる傾向が見えます。あとは、「コーラス」に触れてほしかったところです。
なお、カセットテープには、当時、次のような種類があって、この本にはその説明もあり、すごく懐かしく感じました。
TYPE I:ノーマル
TYPE II:クロム(ハイ・ポジション)
TYPE III:フェリクロム
TYPE IV:メタル
村田和人と岩﨑元是、接点は今までなかったのでしょうか? 音楽的には違いは割とはっきりしています。岩﨑さんのほうが、音作りは相当に緻密ですよね、いわゆる「Wall of Sound」ですし。村田さんのほうは、緻密というよりは、むしろライブ感でしょう。しかし、共通する面も多い。単純化していえば、「海」「青空」「夏」「風」。『A Long Vacation』的な世界といってもいいかもしれません。
両人と共通して接点のあるミュージシャンは、何名もいます。例えば、伊豆田洋之、木戸やすひろなど、村田さんと一緒に作品を作ったことのある人のアルバムに、岩﨑さんが編曲でかかわっている(例えば伊豆田『Face』、木戸『KID 65』)。要するに、「2ステップ」あればつながるのです。
しかし、直接はどうでしょうか? すぐにはわかりません。接点があってもおかしくはないのですが。
なお、村田さんのほうが8歳年上です。
岩﨑元是(1962~)
村田和人(1954~2016)
何度も何度もご紹介して申し訳ありませんが、「ペット・サウンズ・レコード」コーナーです。
http://www.petsounds.co.jp/ordermurata.html
2022年再発の『GO POP』と『太陽の季節』が追加されていませんね。
単にページが更新されていない?
それとも、この2枚を高く評価しておらず、あえて入れていない?
よくわからない状態になっているような気がします。
『ひとかけらの夏』も、2012年盤の情報(品切れなのか?)が掲載されていないし、どうなっているのでしょうか。
パイパー(PIPER)のベスト盤が発売予定です。
パイパー・クール・セレクション
発売日:2023年05月31日
規格品番:STPR038
レーベル:STEPS RECORDS
SKU:4571346190978
販売価格(税込)::2790円
収録曲は、以下の19曲。確認しましたので、どのアルバムから取られたかも記載しています。
1. Shine on(『Summer Breeze』より)
2. Summer Breeze(『Summer Breeze』より)
3. Twilight(『Summer Breeze』より)
4. Angel Smile(『Summer Breeze』より)
5. I've Got a Feeling(『Gentle Breeze』より)
6. Ride on Seaside(『Gentle Breeze』より)
7. Highway of the Sun(『Gentle Breeze』より)
8. Show me(『Gentle Breeze』より)
9. Breezing(『Gentle Breeze』より)
10. Time & Tide(『Gentle Breeze』より)
11. Sunshine Kiz(『Sunshine Kiz』より)
12. Velvet Eyes(『Sunshine Kiz』より)
13. Hidin' in Your Shelter(『Sunshine Kiz』より)
14. Boku No Love Song(『Sunshine Kiz』より)
15. Starlight Ballet(『LOVERS LOGIC』より)
16. Photograph(『LOVERS LOGIC』より)
17. Trade Wind(『LOVERS LOGIC』より)
18. Moonlight Beach (edit version)
19. Sunshine Kiz (live version) (ボーナストラック)
『Summer Breeze』、『Gentle Breeze』、『Sunshine Kiz』、ムーン・レコードに移籍後の『LOVERS LOGIC』の4枚からセレクションということで、1981年の1stアルバム『I'M NOT IN LOVE』はなぜか除外されています。とはいえ、レコード会社の壁は超えているわけですから、たいしたものです。
以前にも少しご紹介したように、PIPERは海外で人気が高まっているようで、LPが出されたり、カセットテープすらも出されているようです。最後のアルバムから20年近くたって、(個人的には期待している)新譜は出ないのに、ベスト盤のみが出るというのも驚きですが、より皆さんに聴いていただきやすくなる、という意味では喜ばしいことです。
なお、今回のベスト盤の18曲目の「Moonlight Beach (edit version)」はオリジナル4枚の中に見当たらない曲名なのですが、「edit version」という点に注目すると、『LOVERS LOGIC』(2019年盤)の12曲目(ボーナストラック)の「あなたのとりこ (エディット・ヴァージョン)」のことなのかもしれません。どこにもそうだと示すような情報はありませんが。本当に、情報不足の世の中が続いていますね。「ボーナストラック」と記載されていないので、5枚(4枚)のアルバムの中に収録されている作品のはずなんですが…。後日、判明した段階で、またご報告したいと思います。
なお、村田さんのコーラスも入っているはずですが、どの曲なのかは、オリジナルアルバムのクレジットを確認すればいいのかもしれませんが、直ちにはよくわかりません。
また、今回のベスト盤の各種紹介を見ていると、またもや、「村田和人バンドのメンバーとしても有名なギタリスト、山本圭右を中心とするユニット」のような紹介のされ方をされてしまっていますが、村田バンド以前にPIPERは存在したわけですので、以前にも書きましたように、こういう書き方は避けていただきたいのが当方の希望なんですけれどね。
最後に、今回の「STEPS RECORDS」という会社は、2019年に村田さんのビクター/ROUX時代(1993~95年)のベスト『エヴァーグリーン・ワークス~永遠に続く輝き~』を出した会社でもあります。