No,1270でも少し書きましたが、最近は、「オリジナル・カラオケ」という表現は使われなくなってきているようです。
替わりに使われている言葉は、例えば、以下のような言葉です。
「Instrumental」
「Backing Track」
「Vocalless Version」
「offvocal version」
最後の「offvocal」という表現は「和製英語」とのことですが、「vocalless」という単語も存在しないようです。ほかにも、いろいろとあるようで、歌手によっては自分専用に表現を作り出している例もあるそうです。
「オリジナル」という言葉を追加したとしても、「カラオケ」というと、「カラオケ店」のイメージが強すぎるから、ということで、避けられる傾向にあるのかもしれません。
また、以前は難しかったみたいですが、最近は、というかもう10年ぐらい前からであれば、オリジナル音源(マスターテープ?)からリミックスする際に、ボーカルだけ落として新たにカラオケを制作するということは、比較的容易になったようです。以前はカラオケ・バージョンなどなかったはずなのに、突然カラオケがボーナス・トラックで出現するという場合は、新たに制作したケースのようです。
その性能の可否はともかくとしてすでにアプリがいくつか存在するようですが、やがて、非常に高性能なアプリが出てきて、個人でも、普通にボーカルのある音源からボーカルだけを落として良質なカラオケを容易に制作できる時代がやってくるかもしれません。そうなると、カラオケ作品がやたらに出現するかもしれません。著作権法上は問題があるのかもしれませんが、YouTubeなどにも。
そうなったら、当方でも制作してしまうかもしれないですね。村田さんのあの曲とか、あの曲とか、想像をめぐらしても面白いかもしれません。また、カラオケといっても、自分が「歌う」ためということだけが目的とはならず、歌を除くことで、演奏についても新しく見えてくる(聴こえてくる)ことがあったりもします。
村田さんの話題ではなく申し訳ありませんが、村田ファンならば、おそらく「なかなかいい」と思っていただけるのではないかという作品なので、ご紹介します。お赦しください。
長江健次
URBAN EXPLORER
発売日:2024年07月17日
規格品番:NGE-1006
レーベル:CIMS Music Entertainment
SKU:4580288591965
長江健次というと、当方くらいの世代であれば、「欽ドンのイモ欽トリオのフツオでしょ」と思って見向きもしない可能性があります。しかし、今回のこのミニアルバムは、川村康一さんが全6曲とも作詞・作曲だということを付け加えると、少しはご関心を持っていただけるのではないでしょうか。実際、聴く価値はあります。
Spotifyでも簡単に聴くことができますので、まずは、とにかくお試しください。
なお、6曲のうち2曲は、村山晋一郎さんというかたが編曲をなさっているということがわかりましたが、困ったことに残りの4曲については編曲がどなたかという情報がありません。タワーレコードやHMVのこのアルバムのページにも情報がありません。Amazonはこのアルバムに限らずもともと編曲の情報は一切ありません(転載しているメーカーによる紹介などで言及していなければ)。
今回は、CDもあるので、それを購入すれば究極的にはわかるとは思いますが、現在、CDがなくて配信だけというケースも多いわけですから、制作側(アーティスト、ミュージシャン、レコード会社などのメーカー)は、もっと積極的に情報発信をしていただかないと困ります。参加した全ミュージシャンのクレジットをネットに掲載しろなどとは(本当は言いたいのですが)申しませんが、作詞・作曲・編曲の情報くらいは網羅していただきたいところです。
情報不足にはいつもいつも悩まされます。
と話題がずれましたが、とにかく、「一聴」を強くお薦めいたします。
海賊盤(海賊版)は、「マンガ」では大きな問題になっていますが、音楽ではそれほどでもないように思います。とともに、むしろ洋楽が対象となっていることが多いようです。
CDだと簡単にコピーできてしまうし、配信もあるから、それほど「海賊盤」が求められていない、「市場」が小さいということでしょうか? ただ、発表されているCDそのものの海賊盤ではなく、CD化されていない音源などは、(どういうルートで海賊盤になるのかという問題はあるにしろ)海賊版となっているケースはいろいろあるようです。そういうCDがあれば、確かに、価値はあるでしょうね。例えば、LIVE音源を勝手に「海賊盤」にする、というようなものです。
幸い、村田さんの作品に関しては、海賊盤の例は、寡聞にして知りません。もしも、村田さんの「海賊盤」が存在したら、珍しい(レア)ということで、(一部のファンの間では)価値が出てしまうかもしれません。いわば、「見本盤」のような位置づけで。
ある配信サービスを利用していて、ふと気づいたら、知らぬ間に、ある作品が配信の対象からなくなってしまっているという事態、皆さんはご経験はないでしょうか? 当方はあります。
このような事態に対しては「事前にダウンロードしておけばよかったのに」、と言われてしまうでしょうが、配信でいつでも聴くことができる作品を、いちいちダウンロードしておくかというと、なかなか現実的ではありません。いつでも聴くことができる(削除されるまでは聴くことができた)のだから、ダウンロードするメリットはありません。ところが、実際に削除されるケースはあります。
万が一そういうことが起きると、個人的に聴くことができなくなり困るということを超えて、例えば、もうCDも品切れで存在せず(場合によっては、配信があるからCDを品切れにしたということもありうるでしょう)、中古でもCDの入手が難しいとなると、すでにCDを持っているか配信をダウンロードしていた人以外は、聴くこと自体が不可能になってしまいます。「再配信」ということはありうるでしょうか? あるかもしれませんが、あるのかないのか、あるとしてそれがいつなのか、全く推測できません。これは、CDの時代以上の危機です。
ということで、配信業者の皆さんへのお願いは、決して配信をやめないでいただきたいということです。
しかし、ご本人(または音源の権利者)が配信中止を希望していたら、それは防ぎようがありません。やはり、CDの時代以上の危機的状況だと思います。
村田さんの作品について、配信の中止が今後発生しないことを祈ります。
ふと思ったのですが、村田さん(1954年生まれ、1982年デビュー)の後継者に当たるような音楽性、似たような音楽性のミュージシャンっていますかね?
思いつく人は何人かいるのですが、ぴったりとは思えないんです。
でも、あえていえば、次の2人くらいでしょうか?
・川村康一(1964年生まれ、1989年デビュー)
・岩﨑元是(1962年生まれ、1986年に「岩﨑元是&WINDY」でデビュー)
さて、どうでしょうか。
岩﨑さんなどは、「ウォール・オブ・サウンド」で、むしろ、大瀧詠一の後継者なのかもしれませんが。
なお、「後継者」という言い方で、お二人の独自性を認めていない、という意味ではもちろんありませんので、その点言い添えます。