またもや、村田さんの話題からずれますが、お許しください。
村田さんと一緒に、山下達郎さんの「潮騒」をカバーしている木戸やすひろさん(「潮騒 (The Whispering Sea)」(村田和人 with 安部恭弘&木戸やすひろ)、2003年)、1970年代から、コーラスとしての活躍(特に、比山清(比山貴咏史)さんとのコンビ)でも有名ですが、Spotifyで、次のアルバムが配信されていましたので、聴いてみました。
木戸やすひろ
KID 65 奇跡のかけら
2017年
全曲、ご本人の作曲・編曲で編曲には岩崎元是さんもご参加とのことです。なぜ、岩崎さんが、という感じがしますが、そういえば、岩崎さんは、確か伊豆田洋之さんの『FACE』の編曲もなさっていましたね。
木戸さんには、過去に1枚アルバムがあるものの(1978年『KID』)、その後コーラスとして裏方に徹していたわけです。1980年代から、何回そのコーラスを聴き、何回クレジットでお名前を拝見したことか。
さて、今回の作品ですが、この作品があまり注目されていないようだ、ということは本当にもったいない。村田作品のファンなら、ほとんどのかたは、気にいると思います。
何と言ってもSpotifyは無料ですから、皆さんもぜひとも聴いてみてください。
当方などは、大いなる拍手を贈りたい。
言い訳めいたことを書きますと、音楽を全部を手に入れて聴く、ということはいかにも難しい。手に入れられるのに、手に入れていない、または、抜け落ちているCDアルバムはどうしてもあります。
また、どうしても購入せねばならないというほどではないが、機会があれば聴いてみたいというアルバムもあります。そんなアルバム、50枚とか100枚とかありませんか? 当方はあります。
それらを全部入手したりすることは、経済的にも労力的にもさすがに無理です。
そうした場合、Spotifyは大いにメリットがあります。
(なお、1978年の木戸さんのアルバムはCD化されたものを入手済みですが、まだ聴いていません。なお、残念ながらSpotifyには配信はありません。)
誤解を招くことを恐れますが、安部恭弘さんとの共通点を感じます。また、世代は木戸さんのほうがひとまわり以上は上ではないかと思いますが、岩崎元是、川村康一、そしてさらには川口大輔という各氏につながる作品ではないかと思います。
村田ユニットでアルバムまでを出しているのは5組あるわけですが、残念ながら、次の3枚のアルバムは入手できません。近いうちに、ぜひ再発または配信していただきたいところです。少なくとも、配信ならば、手間も費用も抑えられるので、可能性が高いようにい思いますが、いかがでしょうか?
・Jean & Gingers(村田和人、山本圭右、小板橋博司、吉川みき)『The Greatest Hits』(1998年)
・A,M,S&I(安部泰宏、村田和人、鈴木雄大、伊豆田洋之)『奇跡はここにあるのさ』(1999年)
・ALOHA BROTHERS(杉真理、村田和人)『世界のアロハ・ブラザーズ』(2010年)
前回、「これで最後」と書いたのに、嘘ですみません。
最後に、もう一言、いやもう二言、警鐘をならしておきたかったので。
まず1点目は、「歌詞カード」(ブックレット)がなくなる、という問題点です。今まで作成されたものも、入手できない状態になる。これは、大変もったいないけれど、仕方ないのかもしれません。配信以前に、CD化のときも、レコードではもっと立派だった歌詞カードが簡素化されてしまったという例などは多くありました。なお、一部の作品では、Spotifyでも歌詞自体は「カラオケ」のように表示されます。
しかし、歌詞カードそのものがなくなることはやむを得ないにしても(技術的には、サイト上歌詞カードやブックレットを維持することも十分可能なはずですが)、歌詞カードに掲載されていたクレジット情報(作詞、作曲、編曲、プロデュース、ミュージシャン、ミキサー、その他制作者)は、不要ではないはず。
今でも、実は、Spotifyでも一部クレジット情報は見られるのですが(「楽曲クレジット表示」)、情報を入れるかどうかは任意であるようで、情報がないことも多く、あっても作詞と作曲も分かれておらず、編曲にいたっては項目もない、プロデュースは項目はあるが入力がないことが多い、などという悲惨な状態です。ましてや、スタジオ・ミュージシャンなど項目もなく、名前など掲載されているはずもありません。
このままでは、全てのクレジット情報が消えて行ってしまいます。それがいいわけはない。
でも、もう遅いでしょうね。
そして、最後の最後です。
アルバムやシングルの「発表年」の表示について。
いわゆるCD再発(または、レコードのCD化)の場合は、オリジナル発表年なのか、再発年(CD化の年)なのか? 現在は不統一の状態で、おそらくレコード会社から提出された情報がそのまま掲載されているのでしょう。それはそうですね。Spotify側に情報を整理・統一する能力があろうはずはない。
「年」の情報としては、両方が残っているべきだ(しかも、Spotifyでもそれが確認できるようにすべきだ)と思いますが、一般論としては、まずはオリジナル発表年で統一すべきでしょう。そうしないと、掲載されている「年」だけを見ると、デビューアルバムが、何枚かのアルバムよりもあとに発表されたように見えてしまうようなケースも出てくることになります。
いずれにしても、現在のSpotifyの状況は、両方の「年」が混在する不統一の状態で、これは、あとあと必ず問題になります。
以上で、Spotifyネタはおしまいです。長々と失礼いたしました。
Spotifyの話題ばかりで申し訳ありませんが、これで最後にします。
村田さん関係の主たるミュージシャン(ユニットで一緒だった皆さん)を調べてみました。
以下、駆け足でご紹介。
伊豆田洋之:かなりあります
安部恭弘:かなりあります
杉真理:かなりあります(「アーティスト」が2つ登録されていますので注意してください)
平松愛理:かなりあります(シングルも多いことが特徴か)
斎藤誠:ややあります(「アーティスト」が2つ登録されていますので注意してください)
重見徹:ややあります(当方は、そもそも重見さんのアルバム作品全体像が分かっていません)
西司:最新の『CROSS THE RUBICON』(2017年)しかありません
鈴木雄大:1枚目の『FRIDAY NIGHT』(1982年)しかありません
いずれも、やはり中途半端な配信で、昔の作品が多い一方、特に、最近のアルバムが抜けていたりします。
なお、ピカデリー・サーカスはありません。BOXは2枚目まであります。
村田さんのユニット、オムニバス系はやはりないものが多いですね。ここで配信から漏れてしまうと、今後聴くことができなくなる恐れがかなりありますね。
ちなみに、山下達郎作品はまったくありません。
大瀧詠一作品(ナイアガラ関係)はかなりあるのに、「Sugar Babe/SONGS」も「ナイアガラ・トライアングルVol.1」も(Vol.2も)ありません。山下さんの「アンチSpotify(反Spotify)」の姿勢は徹底しているようですね。村田作品の初期5枚が配信されていないことも、これと関係あるのかもしれません。
なお、直接関係ありませんが、角松敏生のアルバムもほとんどありません。最近(2019,2020)の2枚のアルバムのみです。
Spotifyの話題のさらに続きですが、以前にも何回かお名前を出しました川村康一さんのアルバムが2枚配信されています。
1枚は、2019年の『Summer Breeze』。
そして、もう1枚は、なんと、来月2021年5月にCDが発売になるニューアルバム『My PRIMARY COLORS』。大変驚きです。
先行配信ということらしいのですが、ご関心のあるかたは是非お聴きください。
ニューアルバムを制作なさっていたとは知りませんでした。『Summer Breeze』に収録されている曲もありますが、ほとんど新作です。素晴らしいことです。
できれば、以前の2枚のアルバム
・HAVE A GOOD-TIME(1989年5月21日)
・STEP on the“Cherry”WAVE(1990年3月21日)
も配信していただきたいところなのですが、レコード会社(またはレーベル? この2枚のアルバムの場合は「BMGビクター/Air RECORDS」です)が動いてくれないと、ご本人の意向だけではどうにもならないのでしょうね。
この川村さんの以前のCD2枚はすでに入手しにくくなってきているようですので、配信でもされない限り聴けないという状況になりつつあると懸念します。配信されていないということ、大変残念なことです。