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村田和人(むらた・かずひと)

村田作品におけるブラスやストリングス(1353)

1970年代半ばごろからの山下達郎の音楽の1つの大きな特徴は、同時代のニューミュージックの作品に比べ、ブラスやストリングスが強く入っているということかと思います。言い方を変えれば、同じとは言えませんが(少なくともブラスパートの「派手さ」は異なる)、バート・バカラック的なオーケストレーションを取り入れるということですね。

 

例えば、1980年のシングル「RIDE ON TIME」のクレジットは以下のとおりです(アルバム『RIDE ON TIME』のボーナストラックのクレジット)。

 

RIDE ON TIME(ライド・オン・タイム) (シングル・バージョン -Single Version-

作詞・作曲。編曲:山下達郎

 

山下達郎 : Electric Guitar (Right), Kalimba, Percussion& Background Vocals

青山純 : Drums

伊藤広規 : Bass

椎名和夫 : Electric Guitar (Left)

難波弘之 : Keyboards

土岐英史 : Alto Sax Solo

吉田美奈子 : Background Vocals

 

数原晋 : Trumpet

岸義和 : Trumpet

向井滋春 : Trombone

粉川忠範 : Trombone

村岡建 : Tenor Sax

砂原俊三 : Baritone Sax

 

ブラス関係のうち、「土岐英史 : Alto Sax Solo」はいつも一緒にいるようなメンバーでもありますからともかくとして、それ以外にも6人(6本)もあるのですから、音が厚くなって当然です。他方、この曲(このアルバム)にはストリングスはありません。また、アルバム『RIDE ON TIME』の多くの曲にブラスが入っていますが、ストリングスは入っていません。

なお、山下達郎関係で顕著な参加が見られるストリングスは、多忠明さんの多(おおの)グループで、2枚目の『スペイシー』以降、(『RIDE ON TIME』を除いて)1983年の『メロディーズ』まで、それぞれ数曲での参加が確認できます。

 

さて、では、山下達郎がプロデュースした、村田さんの初期の作品には、ブラスやストリングスはありましたでしょうか?

 

まず、1982年の1枚目のアルバム『また明日』では次の1曲だけ(しかも、山下達郎ではなく井上鑑編曲)。

 

BE WITH YOU

作詞:安藤芳彦 作曲:村田和人 編曲:井上鑑

 

DS.        渡嘉敷祐一

B.           岡沢茂

KEY.      井上鑑

EG.        土方隆行・今剛

AG.        笛吹利明

PERC.   浜口茂外也

CHO.     山下達郎・難波弘之・椎名和夫・浜田金吾・松下誠・村田和人

HORN.  JAKE. H. CONCEPTION・新井英治・数原晋

 

次に1983年雄2枚目のアルバム『ひとかけらの夏』の中では次の1曲だけ(しかも山下達郎ではなく、椎名和夫編曲)。

 

Catching The Sun

作詞・作曲・コーラス編曲/村田和人 編曲/椎名和夫

 

阿部             Drums

伊藤広規          Bass

新川             E.Piano, A.Piano, Synth

椎名和夫          E.Guitar, A.Guitar, Percussion

義和            Trumpet

吉田憲司          Trumpet

中沢忠孝          Trombone

杉本勝行          Trombone

村岡             Clarinet

清水万紀夫       A.Sax

鈴木重男          A.Sax

三森一郎          T.Sax

佐野博美          T.Sax

砂原俊三          B.Sax

国分友理恵       Background Vocals

村田和人          Background Vocals

 

非常に限定的であることがわかります。しかも、ストリングスはこの2曲ともにありません。

 

ちなみに、山下達郎プロデュースを離れた、3枚目、4枚目、5枚目では、サックスを除いて、全くブラスもストリングスも入っていません。

 

これは何を意味するのでしょうか?(つづく)

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