以前から、村田さんのベスト盤について、その選曲が自分が選ぶとしたら少し違う、などということを書いたりしていましたが、その時も、そんなことを言うなら自分で自分好みのベスト盤を作ってみたらいい、CDからコピーしたら、すぐに作れる、というようなことも書いていました。
やっと、その気になり、10曲を選んで自分オリジナルの『村田和人ベスト』を作成しました。レコード会社(CD会社)も超えて選択しているので、好みによる偏りはあれども『村田和人GOLDEN☆BEST』と言っていいような内容だと思っています。ところが、それはそれはすごいだろうと思って、期待して2回聴いたところ、意外に盛り上がりません。違和感すらありました。
選曲には間違いはないはずなので、やはり曲数が足りないんだろうか、LPレコードじゃないんだから、別に10曲にこだわる必要はない、20曲でも30曲でもいいんだから、と思いましたが、曲数が多ければいいってものじゃありません。「好き加減」でいうと、より低いものが増えていくだけです。
予想外に盛り上がれないことを不思議に思っていたところ、その理由ではないかと思われることに、はたと気づきました。
1982年の村田さんデビュー以来、ほとんど40年近く聴き続けているわけですが、村田さんのベスト盤なるものを1回も聴いたことがなかったのです。当方は、一般にオリジナル盤を異様に重視しており、他のアーティストについても、ベスト盤というものはほとんど聴いたことがありません。要するに、オリジナル盤ばかりを聴いていて、ベスト盤に慣れていなかったので、「村田ベスト」に違和感を感じたのではないでしょうか? つまり、オリジナルアルバムと違う曲順で、特に好きな曲ばかりを続けて聴くということに慣れていないのではないかということです。
おやおやという感じですが、そうだとしたら、このオリジナルのベスト盤を何回も聴くことで慣れていくしかありませんね。
次の本が最近刊行されました。
ジャパニーズ・シティ・ポップ・スクラップブック
木村ユタカ
シンコーミュージック
2021年
2800円+税
同著者の2006年の旧著『クロニクル・シリーズ ジャパニーズ・シティ・ポップ』をベースに、新しいインタビューや雑誌掲載の記事などを追加して再編成した書籍だそうです。
この本についてはいろいろと考えたこともあるのですが、とりいそぎ、旧著に掲載されていた村田さんに関する次の記事が掲載されていることだけご紹介。
p140~p151:村田和人インタビュー
p152~p153:コラム:村田和人/PIPER 紙ジャケットコレクション
p276~p277:シティポップ人物名鑑の村田和人の項目
基本は、旧著のままの内容のようです。
念のため、旧著の刊行時期から推測可能ですが、上記「紙ジャケットコレクション」とは初期5枚の(2012年盤ではなく)2006年盤です。
ペット・サウンズ・レコードの「村田和人コーナー」をしばしば拝見しておりますが、
http://www.petsounds.co.jp/ordermurata.html
最近、「店頭品切中」が増えているような気がします。
具体的には、ビクターの3枚(『HELLO AGAIN』 『evergreen』『Sweet Vibration』)とムーンの最初の2枚(『また明日』『ひとかけらの夏』)です。
売れる(その結果、売り切れる)ということそのものはいいことなのですが、本当に品切れにならないように、各レコード会社(CD会社)さん、よろしくお願いします。
Piper(パイパー)の話題ですが、お許しください。
たまたま山本圭右さんのWikipediaページを見たら、いまさらながら、ソロシングル(同じ作品についてCDSと7インチ)があることがわかりました・
「夏のシチュエイション/Dancing on the Beach」(1989年6月28日、イーストワールド、XT10-2398/PRT-1388)
1985年にパイパーの最後のアルバム『LOVERS LOGIC』が出て、さらにHoney & B-Boysの『BACK TO FRISCO』(1987年)よりもあとです。『BACK TO FRISCO』はムーンから出ていますが、このシングルはイーストワールドから。1988年から1990年までは、村田さんがイーストワールドにいたので、その関係でしょうか?
それにしても、何故これだけソロ作品なんでしょうか?
なお、2曲ともYouTubeで聴くことができますので検索してみてください。
そして、もう1曲、これは、1990年の映画「ふうせん」のサントラという位置づけのアルバム(ギタリストの曲を集めているアルバム)の中の1曲です。ギター作品で、山本さんのボーカルはないようです。
『SHOOT THE GUITARIST』(BMGビクター、BVCR4)
・7曲目の「BOLT De-Gow」
ご参考までに、収録曲をすべて記載しておきます。
1. MANGOLILA/OTO(JAGATARA)
2.GOOD MORNING SATELLITE/DEAD END
3. DEVILS IN MY CAR/河内淳一
4. SARAH/YOU(DEAD END)
5. GYPSY HOUSE/OTO(JAGATARA)
6. DAD&SON/成田昭次
7. BOLD De-Gow/山本圭右
8. "DA-RA-DA" MELTING WAY/法田勇虫
9. K'S SUMMER/EDDY(JAGATARA)
10. LAST BATTLE/中間英明
11. 原始のかけら/DEAD END
こちらはビクターからですが、1990年の「21」の1枚目のアルバム(別に山本さんはメンバーではありませんが)『Blue Coast Inn』がビクターから出ているので、それと関係するのかもしれません。
なお、Amazonの『SHOOT THE GUITARIST』のレビューでは、間違って、「山本圭介」と記載されていますが、アルバムのクレジットも間違ったりしていないでしょうね?
さて、前回の続きです。
前回、思わせぶりな書き方をしましたが、実は、Spotifyには、もう1つ次のような続篇があります。
名義:中野督夫with永井ルイ、湯川トーベン、向山テツ、本多"taco-bow"正典、村田和人、
タイトル:フォークロックスLIVE! II 1991-1999
年:2021年
こちらは、山本圭右さんのお名前がありません。また、前回ご紹介したアルバムは各曲のクレジットはすべて「中野督夫」となっていたのですが、こちらは、各曲ごとに異なっており、全10曲入りなのですが、1~5、7、8にのみ、村田さんのお名前があり、残りの6、9、10は「中野督夫with永井ルイ、湯川トーベン、向山テツ、本多"taco-bow"正典」と村田さんが入っていない表記になっています。
ですから、このクレジットのある作品に村田さんがご参加なのでしょうが、主としてコーラスなのでしょう、ちょっと聴き分けができません。
はっきりと村田さんがボーカルなのは、次の曲。
5.Flying Santa Claus(Live@1990.12.17京都「磔磔」)
それは、オリジナルですからね。お時間あるときに、お聴きいただければ。
なお、中野督夫さんのボーカルは、実は、村田和人・山本圭右のお二人に近いように感じます。中野さんの影響を受けているということなのかもしれません。