オリジナルカラオケについては、先に、「あまり重要視されていないということでしょう」と書きましたが、せっかく発表したにもかかわらず。そのままということがほとんどのようです。
その一般的な状況から考えると、村田さんの場合、再発盤のボーナストラックにしっかりと収録するという対応があり、かなり入手しにくい「CDシングル」というものを必死になって探さなくても、聴くことができるのですから、村田ファンは恵まれています。
なお、オリジナルカラオケについてですが、2006年の初期5枚再発のボーナス・トラックの「カラオケ」13曲(1083)に、「カラオケだからといってあなどってはいけませんね」と書きました。
確かに、ボーカル、しかも、目立つ村田さんの声がなくなると、聴いた感じが大きく変わり、物足りないという感じがします。別に、村田作品だけじゃなくて、他の人の作品でもそういうことが多いので、どうも苦手な感じが残ります。
ただ、ボーカルがなくなることで、バックの演奏、各楽器の音、例えばギターのフレーズだとかがよく聞こえるようになるというメリットはあります。
また、感じ、印象が変わることにより、新しい発見があることもあります。
例えば、お手許にあるかたは、「もう一度」のオリジナルカラオケを今一度聴いてみてください。当方にしてみると、ボーカルを抜いた「カラオケ」という感じではありません。
ずいぶん昔に触れましたが(No.902(2017年4月16日)とNo.927(2017年9月17日)をご参照)、『ひとかけらの夏』の2006年盤に、井上鑑編曲の「Summer Dream (Instrumental)」が収録されています。この作品のように、カラオケではなく、「インスト」というボーカルを入れることを想定していない独立した作品という感じを受けます。かなり驚きました。もとの唄の入った曲を知らずに、「こういう作品なんです」といわれたら、信じてしまうかもしれません。そういう意図を、村田さんが持っておられたのかどうかは定かではありませんが。
最後に念のためですが、シングルの「Slide on your season」は、「Winter Version」として、『evergreen』の2007年再発のボーナストラックに収録されていること、申し上げるまでもありません。