かつて、CDのシングル盤として「8cmCD」というものがありました。1988年に発売開始されたそうで、1990年代後半まで続いていたかと思いますが、現在は中古以外はほぼ見かけなくなってしまいました。
実際、Wikipediaを見てみると、村田さんの次の4枚のシングルが8cmCDのようです。
・空を泳ぐ日/優しいなんて誤解(1990年、東芝EMI、TODT-2524)
・君の自由/もう一度(1993年、ビクター、VIDL-10343)
・Slide on your season /彼方に~Family of Love~(1993年、ビクター、VIDL-10452)
・Do You Wanna Dance?/太陽の恋人(1995年、ビクター、VIDL-207)
さて、この8cmCDは、もともとはレコードのシングル(EP)の代わりですから、当然2曲入りでした。ところが、EPと違い容量がもっとあったからでしょうか、1992年か1993年頃から、タイトル曲のオリジナルカラオケを収録して「3曲入り」の場合が出てきました。タイトル曲どころかc/w(B面)のオリジナルカラオケも入れて「4曲入り」すら登場しました。といっても、この時期、すべての8cmCDがオリジナルカラオケを収録しているとは限らず、ばらつきがあるようです。
一部には、4曲とも違う曲を収録して「ミニアルバム」と呼んでもいい8cmCDもありました。
なお、レコードでいうミニアルバムとは、LPと同じサイズ(12インチ)にもかかわらず、通常の回転スピードである「33 1/3r.p.m.」よりも速い回転スピード「45 r.p.m.」(EPの回転スピードと同じ)にし、4曲入りにしているというものです(他の曲数もあるかもしれません)。その後の、「12インチシングル」と、曲数は違えど、発想は同じですね。
当方が当時よく聴いていたミニアルバムとしては、例えば、
・松任谷由実『水の中のAsiaへ』(1981年)(4曲入り)
・村松邦男『Turist』(1984年)(4曲入り)
などがありました。今だったら、アルバムではなく「マキシシングル」扱いをされてしまうかもしれません。
では、やっと本題です。村田さんの4枚の8cmCDには、オリジナルカラオケは収録されているのでしょうか?
調べてみると、Wikipediaにはなにも記載されていませんし、オリジナルカラオケが収録されているのかどうかか、はっきりした情報が見つかりにくい状態です。オリジナルカラオケは、いわば「おまけ」のようなものと捉えられているのでしょうか、あまり重要視されていないということでしょう。しかし、いろいろと調べてみると以下のとおりのようです。
・空を泳ぐ日/優しいなんて誤解(1990年、東芝EMI、TODT-2524):2曲ともオリジナルカラオケなし
・君の自由/もう一度(1993年、ビクター、VIDL-10343):2曲ともオリジナルカラオケあり
・Slide on your season /彼方に~Family of Love~(1993年、ビクター、VIDL-10452):2曲ともオリジナルカラオケあり
・Do You Wanna Dance?/太陽の恋人(1995年、ビクター、VIDL-207):2曲ともオリジナルカラオケなし
「空を泳ぐ日」は1990年のシングルですから、オリジナルカラオケを収録するにはやはり早すぎるようです。他方、「Do You Wanna Dance?」は1995年ですから、オリジナルカラオケが収録されていても不思議ではありませんが、どうやら収録されていないようです。
なお、現在では、
・「君の自由/もう一度」のオリジナルカラオケは、1993年の『Hello Again』の2007年再発のボーナストラックに収録
・「Slide on your season /彼方に~Family of Love~」のオリジナルカラオケは、1994年の『evergreen』の2007年再発のボーナストラックに収録
ということで、8cmCDがなくても、すべてのオリジナルカラオケを聴くことができます。
カラオケというと、今まで、初期5枚のアルバムの2006年再発盤のボーナストラックの話題ばかりでしたが、いまさらながら、こんなところにもありました、という話題でした。
なお、上記で、しつこく「オリジナルカラオケ」と「オリジナル」を入れていますが、これは実際の8cmCDの表記に倣ったものですが、一般のカラオケ店のカラオケとは違う、歌手本人が制作したものだということを示したいということなのでしょう。一部には、「オリジナル・カラオケ」という「・」を入れているものもあり、表記が統一されていません。