以前にも同じようなことを書いたかと思うのですが、音楽作品を永く聴き続けるというのはなかなか難しい。
当方の場合、永く聴き続けている作品が村田作品となるわけですが、他に聴き続けている歌手としては、以前にも書いた、伊豆田洋之、西司、あたりになります。他方、山下達郎は、古い作品はなお聴いているものの、せいぜい「Pocket Music(1986年)」までで、それより後の作品は、ほとんど聴いていません。この差は、どこで出てくるのか? 特に、村田作品は、現在に至ってもなぜ聴き続けることができているのか? なお、当方の場合、他にも、初期の数枚のアルバムを聴いて、以降は必ずしも聴き続けていないという歌手のなんと多いことか。
村田さんに関して書くと、やはり大きなきっかけは、13年ぶり2008年の「Now Recording」で、これが発表されなかったら、今のようには聴いていないだろうと思います。2008年当時は、すでに、初期5枚について「2006年盤」のCDが発売されていたわけですが、当方の場合、買おう、手許に置いておこうなどという気持ちにもならず、「2012年盤」が出て、とうとう買おうと思ったくらいです。それは、「Now Recording」の影響を受けた結果です。
そういう意味では、「Now Recording」の意義はすごく大きく、また聴いてみようという気持ちを強く引き起こしたわけで、発表していただけたことをすごく感謝しています。とともに、「永く聴き続ける」ということが、非常に偶発的なものに頼っているということがあるんだな、と思わずにいられません。
村田さんだから、あえて「カセット・テープ」と書くというわけではありませんが、かつての「カセット・テープ」のように(とともに、それよりもはるかに大量に)、自分の好きな音楽をまとめて持ち運べるという「スマートフォン」という便利なものの存在も、「永く聴き続ける」ことを促進している面があると思います。
他方、最近の主流である「配信」は、「永く聴き続ける」ことに貢献するでしょうか、それとも、かえって障害になるでしょうか? それは、もうしばらく様子を見ないととわからないかもしれません。というのも、「配信」は便利になっている分、一作品一作品の価値を下げているのではないか? という疑念がやはりあるからです。
最近聴いているんですよね、2009年からの夏三部作。時期もぴったりになりつつあります。
そして、かなり曲を覚えてきています。でも、まだまだです。
以前にもNo.1134に目標を書きましたが、この3枚を聴き分けられるようになるまで、聴き続けたいと思います。
またもや、村田さんの話題からずれますが、お許しください。
村田さんと一緒に、山下達郎さんの「潮騒」をカバーしている木戸やすひろさん(「潮騒 (The Whispering Sea)」(村田和人 with 安部恭弘&木戸やすひろ)、2003年)、1970年代から、コーラスとしての活躍(特に、比山清(比山貴咏史)さんとのコンビ)でも有名ですが、Spotifyで、次のアルバムが配信されていましたので、聴いてみました。
木戸やすひろ
KID 65 奇跡のかけら
2017年
全曲、ご本人の作曲・編曲で編曲には岩崎元是さんもご参加とのことです。なぜ、岩崎さんが、という感じがしますが、そういえば、岩崎さんは、確か伊豆田洋之さんの『FACE』の編曲もなさっていましたね。
木戸さんには、過去に1枚アルバムがあるものの(1978年『KID』)、その後コーラスとして裏方に徹していたわけです。1980年代から、何回そのコーラスを聴き、何回クレジットでお名前を拝見したことか。
さて、今回の作品ですが、この作品があまり注目されていないようだ、ということは本当にもったいない。村田作品のファンなら、ほとんどのかたは、気にいると思います。
何と言ってもSpotifyは無料ですから、皆さんもぜひとも聴いてみてください。
当方などは、大いなる拍手を贈りたい。
言い訳めいたことを書きますと、音楽を全部を手に入れて聴く、ということはいかにも難しい。手に入れられるのに、手に入れていない、または、抜け落ちているCDアルバムはどうしてもあります。
また、どうしても購入せねばならないというほどではないが、機会があれば聴いてみたいというアルバムもあります。そんなアルバム、50枚とか100枚とかありませんか? 当方はあります。
それらを全部入手したりすることは、経済的にも労力的にもさすがに無理です。
そうした場合、Spotifyは大いにメリットがあります。
(なお、1978年の木戸さんのアルバムはCD化されたものを入手済みですが、まだ聴いていません。なお、残念ながらSpotifyには配信はありません。)
誤解を招くことを恐れますが、安部恭弘さんとの共通点を感じます。また、世代は木戸さんのほうがひとまわり以上は上ではないかと思いますが、岩崎元是、川村康一、そしてさらには川口大輔という各氏につながる作品ではないかと思います。
村田ユニットでアルバムまでを出しているのは5組あるわけですが、残念ながら、次の3枚のアルバムは入手できません。近いうちに、ぜひ再発または配信していただきたいところです。少なくとも、配信ならば、手間も費用も抑えられるので、可能性が高いようにい思いますが、いかがでしょうか?
・Jean & Gingers(村田和人、山本圭右、小板橋博司、吉川みき)『The Greatest Hits』(1998年)
・A,M,S&I(安部泰宏、村田和人、鈴木雄大、伊豆田洋之)『奇跡はここにあるのさ』(1999年)
・ALOHA BROTHERS(杉真理、村田和人)『世界のアロハ・ブラザーズ』(2010年)
前回、「これで最後」と書いたのに、嘘ですみません。
最後に、もう一言、いやもう二言、警鐘をならしておきたかったので。
まず1点目は、「歌詞カード」(ブックレット)がなくなる、という問題点です。今まで作成されたものも、入手できない状態になる。これは、大変もったいないけれど、仕方ないのかもしれません。配信以前に、CD化のときも、レコードではもっと立派だった歌詞カードが簡素化されてしまったという例などは多くありました。なお、一部の作品では、Spotifyでも歌詞自体は「カラオケ」のように表示されます。
しかし、歌詞カードそのものがなくなることはやむを得ないにしても(技術的には、サイト上歌詞カードやブックレットを維持することも十分可能なはずですが)、歌詞カードに掲載されていたクレジット情報(作詞、作曲、編曲、プロデュース、ミュージシャン、ミキサー、その他制作者)は、不要ではないはず。
今でも、実は、Spotifyでも一部クレジット情報は見られるのですが(「楽曲クレジット表示」)、情報を入れるかどうかは任意であるようで、情報がないことも多く、あっても作詞と作曲も分かれておらず、編曲にいたっては項目もない、プロデュースは項目はあるが入力がないことが多い、などという悲惨な状態です。ましてや、スタジオ・ミュージシャンなど項目もなく、名前など掲載されているはずもありません。
このままでは、全てのクレジット情報が消えて行ってしまいます。それがいいわけはない。
でも、もう遅いでしょうね。
そして、最後の最後です。
アルバムやシングルの「発表年」の表示について。
いわゆるCD再発(または、レコードのCD化)の場合は、オリジナル発表年なのか、再発年(CD化の年)なのか? 現在は不統一の状態で、おそらくレコード会社から提出された情報がそのまま掲載されているのでしょう。それはそうですね。Spotify側に情報を整理・統一する能力があろうはずはない。
「年」の情報としては、両方が残っているべきだ(しかも、Spotifyでもそれが確認できるようにすべきだ)と思いますが、一般論としては、まずはオリジナル発表年で統一すべきでしょう。そうしないと、掲載されている「年」だけを見ると、デビューアルバムが、何枚かのアルバムよりもあとに発表されたように見えてしまうようなケースも出てくることになります。
いずれにしても、現在のSpotifyの状況は、両方の「年」が混在する不統一の状態で、これは、あとあと必ず問題になります。
以上で、Spotifyネタはおしまいです。長々と失礼いたしました。