遅ればせの報告ながら、2月22日の「すけべんこいた」ですが、無事に終了したようです。
https://x.com/20240222Kaz/status/1893671644696137923
なお、X(ツイッター)の最後に、「村田さん来ましたね。」とありますが、これはどういう意味ですかね???
村田さんの初期5枚については、2006年、2012年、2023年と「リマスター」されていますが、リマスターについては、No.1121(最新ベスト盤『一本の音楽』は「リマスター(リマスタリング)」)、リミックスについてはNo.1102(ベスト盤はリミックス?)にそれぞれ書いています。
この関係で2点だけ、当方の理解が進んだであろう点について。
マスター(マスターテープからあらたに原盤(販売するCDやレコードに「コピー」するための原盤)を制作する)の際に、ベスト版の場合、以前のベスト盤をその内容(選曲・曲順)のまま再発するのであれば、そのままの以前の「原盤」があるはずですから、それを使えばいいはずです(もちろん、以前の原盤に何か問題があるなどして(音質が悪い、デジタルでない、紛失した、破損したなど)使えない・使いたくない場合などは、新しい原盤を制作したらいい)。しかし、新しく選曲した、または新たに曲順を決めたベスト盤の場合、そのための「原盤」は存在しませんので、必然的に新しい原盤を制作する、要するにリマスターに自動的になってしまう、のではないかと理解しております。ゆえに、「リマスター」と明記されていなくても、新しいベスト盤はリマスターである、ということになりそうです。
他方、リミックスのほうですが、「ベスト盤」だからと言って、リミックスになるとは限らず、むしろリミックスする(あらためてミックスダウンをして新しいマスターテープを制作する)方が珍しいかもしれません。少なくともオリジナルアルバム(場合によってはシングル)のマスターテープがあるはずですから、そこから「ベスト盤」に収録する曲だけを取り出してマスタリングする(リマスタリングする、原盤を制作する)ことになります。リミックスがありうるとしたら、マスターテープが痛んだり劣化していたりする場合でしょう。その場合には、その痛んだり劣化したりしたマスターテープをもとに、新しいマスターテープを制作する(リミックスする)という可能性が出てくるわけです。
さらに、リミックスとリマスターの時間的順序ですが、原盤制作の場合には、当然にリミックス→リマスターの順になります。しかし、リミックスがクラブなどのDJがすることを意味する場合には、当然ですが、出来上がったレコードをもとにリミックスするわけですから、リマスター→リミックスの順になります。ようするに、リミックスの意味によって、時間的前後が逆転するということになります。
だんだんとわかってきたかな、というところです。しかし、まだ途上です。
1970年代半ばごろからの山下達郎の音楽の1つの大きな特徴は、同時代のニューミュージックの作品に比べ、ブラスやストリングスが強く入っているということかと思います。言い方を変えれば、同じとは言えませんが(少なくともブラスパートの「派手さ」は異なる)、バート・バカラック的なオーケストレーションを取り入れるということですね。
例えば、1980年のシングル「RIDE ON TIME」のクレジットは以下のとおりです(アルバム『RIDE ON TIME』のボーナストラックのクレジット)。
RIDE ON TIME(ライド・オン・タイム) (シングル・バージョン -Single Version-)
作詞・作曲。編曲:山下達郎
山下達郎 : Electric Guitar (Right), Kalimba, Percussion& Background Vocals
青山純 : Drums
伊藤広規 : Bass
椎名和夫 : Electric Guitar (Left)
難波弘之 : Keyboards
土岐英史 : Alto Sax Solo
吉田美奈子 : Background Vocals
数原晋 : Trumpet
岸義和 : Trumpet
向井滋春 : Trombone
粉川忠範 : Trombone
村岡建 : Tenor Sax
砂原俊三 : Baritone Sax
ブラス関係のうち、「土岐英史 : Alto Sax Solo」はいつも一緒にいるようなメンバーでもありますからともかくとして、それ以外にも6人(6本)もあるのですから、音が厚くなって当然です。他方、この曲(このアルバム)にはストリングスはありません。また、アルバム『RIDE ON TIME』の多くの曲にブラスが入っていますが、ストリングスは入っていません。
なお、山下達郎関係で顕著な参加が見られるストリングスは、多忠明さんの多(おおの)グループで、2枚目の『スペイシー』以降、(『RIDE ON TIME』を除いて)1983年の『メロディーズ』まで、それぞれ数曲での参加が確認できます。
さて、では、山下達郎がプロデュースした、村田さんの初期の作品には、ブラスやストリングスはありましたでしょうか?
まず、1982年の1枚目のアルバム『また明日』では次の1曲だけ(しかも、山下達郎ではなく井上鑑編曲)。
BE WITH YOU
作詞:安藤芳彦 作曲:村田和人 編曲:井上鑑
DS. 渡嘉敷祐一
B. 岡沢茂
KEY. 井上鑑
EG. 土方隆行・今剛
AG. 笛吹利明
PERC. 浜口茂外也
CHO. 山下達郎・難波弘之・椎名和夫・浜田金吾・松下誠・村田和人
HORN. JAKE. H. CONCEPTION・新井英治・数原晋
次に1983年雄2枚目のアルバム『ひとかけらの夏』の中では次の1曲だけ(しかも山下達郎ではなく、椎名和夫編曲)。
Catching The Sun
作詞・作曲・コーラス編曲/村田和人 編曲/椎名和夫
阿部 薫 – Drums
伊藤広規 – Bass
新川 博 – E.Piano, A.Piano, Synth
椎名和夫 – E.Guitar, A.Guitar, Percussion
岸 義和 – Trumpet
吉田憲司 – Trumpet
中沢忠孝 – Trombone
杉本勝行 – Trombone
村岡 健 – Clarinet
清水万紀夫 – A.Sax
鈴木重男 – A.Sax
三森一郎 – T.Sax
佐野博美 – T.Sax
砂原俊三 – B.Sax
国分友理恵 – Background Vocals
村田和人 – Background Vocals
非常に限定的であることがわかります。しかも、ストリングスはこの2曲ともにありません。
ちなみに、山下達郎プロデュースを離れた、3枚目、4枚目、5枚目では、サックスを除いて、全くブラスもストリングスも入っていません。
これは何を意味するのでしょうか?(つづく)
先にNo.1337で、パイパー(PIPER)の2枚目、3枚目、4枚目のアルバムについて、Spotifyでは、ベスト盤『パイパー・クール・セレクション』に収録された曲しか配信されていない(一部の曲は除外されている)ので中途半端だ、ということを書きました。ところが、改めて確認したところ、それぞれ全曲配信されていました。
素晴しいことです。
これにより、パイパー(PIPER)作品で配信されていないのは、1枚目のアルバム『I'M NOT IN LOVE』(1981年)だけとなりました。こちらも、早く配信されてほしいものです。
どうぞよろしくお願いします。
しかし、時代というものは変わるものです。そして、その変化の中で、どうにも理解しがたいことが起こる。当時の活動中からパイパーのファンだった者としては、永い間パイパーのアルバムがなかなか再発・CD化されなかったことも理解できなかったし、最近は海外も含めて再評価が高まったという点も、「いまさら?」と違和感があります。しかし、当方がどう考えるか、どう感じるかは、ほとんど関係なく、現在、パイパーが求められているという状態が重要です。この状態が継続してほしいものです。
(なお、他にもたくさん評価・再評価をしてほしい音楽があるのですが、それについては、機会があれば、どこかで書いてみたいものです。そして、そのことについて、「配信」には、重要な「可能性」があるのです。)
YouTubeで村田さんの作品が使われている1980年代半ばと思われるTVCMの画像について。このネタ、以前書いていませんかね? 重複していたらすみません。
サントリーのワイン「レゼルブ」(RÉSERVE)の広告で、小林麻美が出演しています。
https://www.youtube.com/watch?v=vUAJ3q2Lu1U
お聞きになるとすぐにお分かりかと思いますが、「サマー・バケイション」のギターの前奏で始まります。そして、おそらく原曲と同じタイミングでコーラスが始まるのですが、原曲よりもコーラスが厚くなっていて(村田さんご本人だけでなく、山下達郎さんも?)、そのまま進行して、30秒で曲が完結するように原曲からは変更されています。
わざわざCMのためにこんなアレンジをしたバージョンを作っているのですね。作品の一部を切り取るのではなく、もともとの作品というベースはあるとしても、あえてCM専用に作る(アレンジする)というケースは、山下達郎さんの「完璧主義」の表れかもしれません。
なお、同じサントリーレゼルブで(小林麻美も同じ)、上記のCMよりもおそらく前(1982年)に、やはり村田作品が使われた例があります。
https://www.youtube.com/watch?v=vPy0YMAhsj8
こちらの作品は「ニコニコワイン」です。そして、原曲の最初から始まるのですが、早めにコーラスが始まり、途中でフェイドアウトするのではなく、やはり30秒で終わるようにうまく短縮されています。